セイコーは世界的に知られる日本の腕時計メーカーで、革新的な技術と幅広いラインアップで多くのファンを魅了してきました。
その中でも「キネティック」は、セイコー独自が開発した自動巻き発電クォーツ時計として知られています。
キネティックといっても種類が複数あり、それぞれ特徴や機能が異なります。
本記事では、セイコーのキネティックを種類別に紹介し、仕組みや他のムーブメントとの違いも併せて解説します。
メリットやデメリット、充電方法も解説しているため、自分に合う腕時計を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。

ブランド買取販売店「ギャラリーレア」でLA部部長として勤務。業界屈指の激戦区である大阪エリアにおいて10年以上のブランド買取経験を持つ。
日本流通自主管理協会(AACD)の認定査定士として、ブランドに対する確かな知識とお客様に寄り添ったサービスを武器に第一線で活躍している。
目次
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セイコーのキネティックはいつ発明された?仕組みは?

セイコーのキネティックは、1988年に「オートクオーツ」という名称で発売された世界初の自動巻発電クォーツ時計に搭載された機構です。
セイコーはクォーツ時計の開発当初から、電池交換不要の腕時計の開発に力を入れてきました。1977年には太陽光で稼働するソーラー時計を開発し、1986年にはリューズを巻くことで発電する手巻き発電クォーツ時計を発売しています。
その後生まれたのが、冒頭で紹介した「オートクオーツ」です。最初に販売したのはヨーロッパで、1988年4月に日本で発売されました。
発売当初は「AGS(Automatic Generating System)」という機構名でしたが、1990年代に「KINETIC(キネティック)」に名称変更され、革新的なシステムとして注目を集めました。
キネティックの仕組みは、腕の動きでローターを回転させ、その回転エネルギーを発電機で電気に変換し、二次電池に蓄えるというものです。
従来のクォーツ時計は定期的な電池交換が必要でしたが、キネティックは発電によって電力を確保するため、電池交換する必要がありません。
このように、キネティックは機械式自動巻きのメリットとクォーツ式時計の正確性を融合させた、セイコー独自の画期的な機構です。
なお、キネティックの仕組みは日本ではソーラーで発電する腕時計が主流のため、現在は国内生産を終了しています。しかし、海外では評価が高く、現在も販売されています。
セイコーのキネティックの代表的な種類を解説!

セイコーのキネティックの種類は、大きく分けて5つに分かれており、それぞれ特徴が異なります。
基本形から高機能モデルまで幅広く展開されており、どれを選べば良いのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
ここでは、各種類の特徴や機能を紹介します。時計選びの参考にしてみてください。
キネティック(ベーシック)
セイコーのキネティックの基本形は、腕の動きによって内蔵ローターが発電し、二次電池に電力を蓄えるシンプルな仕組みです。
クオーツ式ならではの高精度を実現しながら、通常の電池式クオーツのように数年ごとに電池交換をする必要がほとんどありません。
ベーシックのキネティックを搭載したモデルは、3針と日付表示を備えたスタンダードなデザインになっています。日常使いはもちろんビジネスシーンにも装着しやすいため、用途を選ばず身につけられる万能なモデルです。
キネティック ダイレクトドライブ
キネティック ダイレクトドライブは、セイコー独自のキネティック技術をさらに進化させたムーブメントです。
従来のキネティックは腕の動きによる自動発電だけでしたが、ダイレクトドライブではリューズを回すことで手動でも充電できるのが特徴です。
また、文字盤にはパワーリザーブ表示が搭載され、現在の蓄電量だけでなくリューズ操作による発電量もリアルタイムで確認できます。利便性にも優れており、日常使いからビジネスシーンまで幅広く着用できます。
キネティック パーペチュアル
キネティック パーペチュアルは、2100年まで修正不要のパーペチュアルカレンダーを搭載した高機能ムーブメントです。日付やうるう年の調整を自動で行ってくれるため、時計上で日付を確認したい人にとって便利な機能といえるでしょう。
2008年12月に発売された「SAGV015」「SAGV017」に搭載されており、スポーティなデザインでスマートさを演出できるのも魅力です。
また、キネティック パーペチュアルには、パワーセーブ機能が備わっています。パワーセーブ機能とは、時計を使わず放置すると針が自動的に停止し、無駄な電力消費を抑える仕組みです。
具体的には、一度フル充電しておけば4年間使わなくても内部で正確に時を刻み続け、再び腕に着けると現在の時刻と日付に設定されます。
実用性とデザイン性を重視するセイコーならではの高度な技術を体感できるシリーズです。
キネティック GMT
キネティック GMTは、セイコーが海外渡航や国際的なビジネスシーンでの利用を想定して開発したムーブメントです。
GMTとは「Greenwich Mean Time(グリニッジ標準時)」の略称で、第二時間帯を同時に表示できる機能です。例えば、日本にいながらニューヨークやロンドンの時間を確認できるため、旅行や出張の多い人にとって便利な機能です。
デザインの幅も広く、ステンレススチールの重厚感あるモデルから、ブラックカラーのケースで精悍な雰囲気を演出するものまで多彩に展開されています。
キネティック クロノグラフ
キネティック クロノグラフは、キネティック技術を応用し、クロノグラフ機能を搭載した革新的なムーブメントです。
通常のクロノグラフが小さなサブダイヤルを1つの文字盤に収めるのに対し、このムーブメントでは専用の複数ダイヤルを設け、それぞれが独立して配置されることで視認性とデザイン性を大きく向上させました。
さらに、リセット時にクロノグラフ針が瞬時にゼロへ戻る「ハートカム機構」を搭載し、操作性と正確性も確保しています。
1999年には世界限定1000本(SBXZ001など)として発売され、時計史に残る高性能なムーブメントとして評価されています。
セイコーのキネティックのメリットやデメリットを解説
セイコーが独自に開発したキネティックは、機械式とクォーツの特長を組み合わせた革新的なムーブメントです。
しかし、メリットもあればデメリットも存在するため、購入前に確認する必要があります。
以下でキネティックのメリット・デメリットを把握し、自分にぴったりの時計を選ぶ際の判断基準にしてみてください。
セイコーのキネティックのデメリット

キネティックは電池交換の手間を大きく減らせる画期的な仕組みですが、いくつかデメリットが存在します。
まず挙げられるのが、内蔵されている二次電池の寿命です。一般的に8〜10年ほどで劣化が進み、蓄電能力が低下すると交換が必要になります。
通常のクォーツ時計のボタン電池と寿命はそう変わりませんが、キネティックは構造が複雑なため、修理費用が高額になる傾向があります。
現在の市場ではソーラー式のクォーツ時計が主流となっているため、修理可能な業者が限られる点も注意が必要です。
また、使用環境によっては不便を感じることがあります。キネティックは、腕の動きで充電される仕組みのため、未装着の時期が続くと二次電池の充電が切れて動作しなくなる場合があります。
再度使うときには発電するまで時間がかかるため、すぐに使いたい人にとっては不便に感じてしまうかもしれません。
セイコーのキネティックのメリット

キネティックの大きな利点は、電気交換の手間を減らせる点です。
前述のとおり、腕の動きでローターが発電し、その電力を二次電池に蓄える仕組みのため、従来のクォーツ時計のように定期的な電池交換をする必要がありません。日常的に使用していれば自動的に充電されるため、メンテナンスの手間を軽減できます。
また、電池交換の頻度を減らすことで廃棄電池の量を抑えられるため、エコ志向のユーザーにも支持されています。
さらに、クォーツ式時計ならではの正確性も兼ね備えています。歯車で動力を得る機械式時計は、日差数秒から数十秒の誤差が生じてしまうケースも少なくありません。
一方、キネティックはクォーツ式の正確な時刻表示を維持しながら、腕の動きによって動力を得られるため、精度と利便性を兼ね備えています。
セイコーのキネティックと他のムーブメントとの違いは?

セイコーのキネティックと他のムーブメントの違いは、動力の生み出し方にあります。
腕時計のムーブメントの種類は、大きく分けて「機械式」「クォーツ式」「ソーラー式」の3つです。
機械式はゼンマイを手や腕の動きで巻き上げて動力とする仕組みで、48時間程度装着せずに放置すると稼働が止まる場合があります。そのため、定期的に身につけてゼンマイを回す必要があります。
クォーツ式は電池を電源として動くため、高精度で扱いやすいのが特徴です。ただし、電気が切れたら交換しなければならないデメリットがあります。
ソーラー式は太陽光や室内光で発電し、充電を二次電池に蓄えるため、電池交換は必要ありません。その一方で、太陽光が届かない場所では十分に充電できない場合があります。
これに対し、キネティックは腕の動きでローターを回し、その運動エネルギーを電気に変換して蓄電池に蓄えることで稼働する仕組みです。
機械式の自動巻きとクォーツ式の精度を融合させたムーブメントとして、人気を高めています。
セイコーのキネティックの充電方法をご紹介

キネティックは、腕の動きを利用してローターを回転させ、その運動エネルギーを電気に変換して充電できる仕組みになっています。そのため、日常的に装着していれば自然と充電が行われるのが大前提としてあります。
ただし、長時間放置すると二次電池の残量が減り、止まってしまうことがあります。その場合は、腕時計を一定時間振って充電します。
まずは、時計を左右に往復で約200回連続で振りましょう。素早く振るのではなく、1秒間に2往復のイメージで、約20cmの距離を左右に振るのがポイントです。
約200回振った後は、時計の秒針が2秒運針から1秒運針に切り替わります。(切り替わらなかった場合は、1秒運針になるまで降り続けてください)
通常の着用で自然に腕が動けば充電されますが、さらに約200回連続で振って1日分の充電をしてから装着することをおすすめします。
なお、充電方法はモデルによって異なる場合があるため、詳しいやり方は購入店舗で確認しましょう。
セイコーのキネティックの種類についてまとめ
まとめ
- キネティックは、1988年に登場したAGSが基礎になっているセイコー独自のムーブメント
- 腕の動きで充電されるため、電気交換の手間がかからないのが大きな特徴である
- 電気交換が不要、エコ志向といったメリットがあるが、長時間装着しないと充電が切れる場合がある
- GMTやクロノグラフ など、用途に応じた派生モデルも展開され、旅行やスポーツなど幅広いニーズに対応している
- キネティック搭載のモデルは、シンプルなデザインから力強いデザインまでバリエーションが豊富
セイコーのキネティックは、1988年に誕生して以来「機械式の自動巻き」と「クォーツの精度」を融合させた独自のムーブメントとして進化してきました。
その後の進化を続け、オートリレーやパーペチュアルカレンダーなどの高機能モデルが登場し、使い勝手や実用性が向上しています。
一方で、二次電池の寿命や修理コスト、ソーラー式の普及による国内での需要低下といったデメリットも存在します。
海外での人気は依然として高いものの、正確性と利便性を両立させた時計を求める方にとって、キネティックは今も十分に魅力的な選択肢といえるでしょう。
ギャラリーレアでは、セイコーをはじめロレックスやオメガなど、国内外の人気ブランド時計を幅広く取り扱っております。
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