シャネルの時計の中でも特別な存在感を放つのがプルミエールです。
1987年に誕生したシャネル初の腕時計は、2022年の復刻版登場により再び注目を集め、定価が100万円を超えるまでに価値が上昇しています。
なぜ今、プルミエールの資産価値がこれほどまでに高まっているのでしょうか。
本記事では、プルミエールの魅力と資産価値が上がる理由、そして賢い購入方法まで詳しく解説します。
ブランド買取販売店「ギャラリーレア」で青山表参道店の店長として勤務。高級ブランドの旗艦店が立ち並ぶ表参道エリアにおいて、お客様の立場に寄り添った丁寧なヒアリング接客を武器に活躍。日・英・仏の3か国語を操り、国内だけではなく海外のお客様からの信頼も厚い。
目次
シャネルのプルミエールはシャネルで初めて誕生した時計
プルミエールは、1987年にシャネルが世に送り出した記念すべき初の腕時計です。当時、ファッションブランドが本格的な腕時計を製作することは画期的であり、時計業界に新たな風を吹き込みました。
「プルミエール」というネーミングには、フランス語で「第一の」「最初の」という意味が込められています。シャネルにとって特別な意味を持つこの時計は、ブランドの象徴的な要素を随所に取り入れたデザインが特徴です。
八角形のケースは、香水「N°5」のボトルキャップとパリのヴァンドーム広場の形状からインスピレーションを得ており、レザーを編み込んだチェーンブレスレットは、マトラッセのチェーンショルダーを彷彿とさせます。
2022年には誕生35周年を記念して「プルミエール エディション オリジナル」が登場し、大きな話題となりました。初代モデルと復刻版の違いとして、まずゴールドの色味が挙げられます。初代は黄味が強く華やかな印象でしたが、復刻版はより柔らかくモダンな、やや白に近い落ち着いた色味にアップデートされています。
リューズのデザインも変更されており、初代もブラックオニキスのカボションを備えていますが、復刻版はケースとの一体感があるフラットなデザインになっています。針も初代に比べて細く長くなり、よりシャープで洗練された印象を与える仕様に。現代のコーティング技術により、復刻版は傷がつきにくく、日常使用での耐久性も向上しています。
時計を「時を告げるジュエリー」として再定義したプルミエールは、文字盤にブランドロゴと時分針のみを配したミニマルなデザインで、流行に左右されない普遍的な美しさを持つ、シャネルの哲学を体現した作品といえるでしょう。
シャネルのプルミエールの資産価値が上がっているのはなぜ？理由は？
シャネル プルミエール M H0001 CHANEL 腕時計 黒文字盤 クォーツ
シャネルのプルミエールの資産価値が上昇し続けている背景には、いくつかの明確な理由があります。まず最も大きな要因として挙げられるのが、シャネルによる戦略的な定価改定です。
シャネルは近年、年に複数回の価格改定を実施しており、特に2024年7月5日の改定では、プルミエールを含む時計が約8%値上げされました。この継続的な値上げが、中古市場の価格も下支えしている状況です。
原材料費や人件費の高騰も価格上昇の要因となっています。金などの貴金属価格の上昇に加え、製造に関わる人件費、輸送費の高騰が製品価格に反映されているのです。さらに、フランスのブランドであるシャネルにとって、円安の進行は輸入コストの増加に直結し、日本国内での販売価格を引き上げる直接的な要因となっています。
興味深い現象として、2022年に発売された高価格帯の復刻版（H6951）の登場が、市場に新たな動きをもたらしました。復刻版が市場の新たな基準となったことで、デザインが酷似しているヴィンテージモデル（H0001）の価格的な魅力が相対的に高まったのです。
これによりヴィンテージ市場への需要が喚起され、相場全体が上昇するという相乗効果が生まれています。加えて、廃盤となった初期モデルは希少性が高く、ヴィンテージシャネルとしての価値が再評価されています。シャネルの価格改定は、単なるコスト上昇の反映だけでなく、ブランドの希少性と価値を維持するための戦略でもあります。
現時点では相対的に購入しやすい状況が続く可能性があり、購入を検討しているなら早めの決断が賢明といえるでしょう。
シャネルのプルミエールで資産価値が高い人気モデルをご紹介
資産価値の観点から注目すべきプルミエールのモデルには、それぞれ特別な魅力と価値があります。
ここでは特に人気の高い3つのモデルを詳しくご紹介します。
プルミエール エディション オリジナル H6951
シャネル プルミエール S H0001 CHANEL 腕時計 レディース 黒文字盤
参考定価：1,045,000円
1987年の初代モデル誕生35周年を記念し、2022年に発売された復刻モデルが、このプルミエール エディション オリジナルです。
初代のデザインを忠実に再現しながらも、現代的な品質にアップデートされた特別な一本となっています。発売からわずか2年足らずで定価が約37%も上昇したという事実が、このモデルの資産価値の高さを物語っています。2022年10月の発売当初は759,000円でしたが、2024年7月5日改定後には1,045,000円まで値上がりしています。
ケースサイズは26.1 x 20 mmで、18Kイエローゴールドコーティングを施したステンレススティールとレザーの組み合わせが高級感を演出します。高精度クォーツムーブメントを搭載し、実用性も申し分ありません。
中古市場では約55万～70万円前後で取引されており、新品と比較するとお求めやすい価格帯となっています。初代へのオマージュを込めた復刻版として、コレクターからの注目度も高く、今後さらなる価値上昇が期待できるモデルです。
シャネルの時計の歴史を象徴する意義深い一本として、資産価値を求める方に最適な選択といえるでしょう。
プルミエール チャーム クチュール 限定モデル H9859
シャネル プルミエール チャーム クチュール M 限定モデル H9859 黒文字盤
参考定価：1,705,000円
2024年に発表された「クチュール オクロック ウォッチ カプセル コレクション」から登場した、数量限定の特別なモデルです。
パリのカンボン通りにあるシャネルの裁縫師からインスピレーションを得たデザインが特徴的で、指ぬきやリール（糸巻き）などを模したチャームが、時計に遊び心を添えています。限定生産という希少性から、コレクターズアイテムとしての側面が強く、プルミエールシリーズの中でも特に高額な設定となっています。
ケースサイズは19.7 x 15.2 mmと小ぶりで、女性の手元を華やかに彩る絶妙なサイズ感です。クォーツムーブメントを搭載し、実用性も兼ね備えています。中古市場での流通は極めて稀で、出会えたら幸運といえるでしょう。
シャネルのクチュールへのオマージュを込めたこのモデルは、ブランドの創造性と職人技術への敬意を表現しています。限定モデルならではの特別感と、独創的なデザインが融合した、まさに芸術品ともいえる時計です。
将来的な資産価値の観点からも、非常に魅力的な投資対象といえるでしょう。
プルミエール S H0001
シャネル プルミエール M H0001 CHANEL 腕時計 黒文字盤
参考定価：約231,000円（当時）
シャネルの時計史に名を刻む1987年誕生の初代プルミエールです。
現在は生産終了となっており、中古市場でしか手に入らない貴重なヴィンテージモデルとして、コレクターから熱い視線を集めています。復刻版の登場と定価高騰により、近年このモデルの価値が再評価され、人気が再燃している注目の一本です。現在の中古相場は約10万円～25万円以上と幅広く、状態や付属品の有無によって価格が変動します。
サイズ展開はS、M、L、XLの4種類があり、手首のサイズに合わせて選べるのも魅力です。オークションサイトでの平均落札価格は約10万円台前半～半ばで推移しており、初めてのブランドウォッチとしても手が届きやすい価格帯となっています。
状態良好な個体の買取相場は最大140,000円程度となっており、リセールバリューの高さも証明されています。ヴィンテージならではの味わいと、シャネルの原点を感じられる歴史的価値を持つこのモデルは、資産としてもコレクションとしても価値ある一本です。
シャネルのプルミエールで資産価値を高める購入のコツはある？
シャネルのプルミエールを資産価値の観点から賢く購入するには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
ここでは、将来的な価値を最大化するための3つのコツをご紹介します。
人気＆限定モデルから選ぶ
資産価値を重視するなら、市場での需要が高いモデルを選ぶことが重要です。
限定モデル（例：H9859）は生産数が少ないため、将来的に価値が上がりやすい傾向にあります。特に、シャネルの限定コレクションは発売後すぐに完売することが多く、希少性が価値を押し上げる要因となっています。
定番モデルの中では、復刻版（H6951）や初代ヴィンテージ（H0001）など、歴史的な意義を持つモデルが安定した人気を保っています。これらのモデルは、時代を超えて愛されるデザインであることから、長期的に見ても価値が下がりにくいという特徴があります。
付属品完備や美品を狙う
中古市場において、付属品の有無は査定額に大きく影響します。
最も重要なのは保証書（ギャランティカード）で、これがあるかないかで査定額が数万円、モデルによってはそれ以上変わることもあります。保証書は時計が本物であることの最も強力な証明となるため、必ず確認しておきましょう。
箱、取扱説明書、ブレスレットの余りコマなども揃っている「完品」状態が最も高く評価されます。特にヴィンテージモデル（H0001）では、ゴールドプレーテッドの剥がれや傷、革の劣化が少ない個体を選ぶことが価値を保つ上で不可欠です。
値上げや相場動向を意識して購入する
シャネルは今後も定期的な価格改定を行う可能性が高いことから、「欲しいと思った時が一番の買い時」というのが鉄則です。
実際、過去の値上げ推移を見ても、購入を先延ばしにすることで結果的に高い価格で購入することになったケースが多く見られます。
また、ボーナス時期やクリスマスシーズンは需要が高まり、中古市場の価格も上昇する傾向があります。その少し前の時期を狙うことで、比較的お求めやすい価格で購入できる可能性があります。市場の動向を日頃からチェックし、タイミングを見計らうことも重要な戦略の一つといえるでしょう。
シャネルのプルミエールの資産価値が高いモデルを購入する方法は？
シャネルのプルミエールで資産価値の高いモデルを手に入れたいと思っても、人気モデルは公式店舗（ブティック）では品薄状態が続いており、入手が困難な場合がほとんどです。
特に限定モデルや復刻版は、発売と同時に完売してしまうことも珍しくありません。そこで賢い選択肢となるのが、信頼できるブランドリユース店の活用です。
私たちギャラリーレアは、偽造品の流通防止を目指す「日本流通自主管理協会（AACD）」の正会員として、専門の鑑定士が在籍しております。
当店の強みは、生産終了したヴィンテージモデルから現行に近い美品まで、幅広い選択肢からお探しいただけることです。初代プルミエール（H0001）のような希少なモデルも豊富に取り揃えており、お客様の予算やお好みに応じて最適な一本をお見つけいただけます。
さらに、中古品には「安心保証」サービスをご用意しており、「イメージと違った」という理由でも返品が可能です。
実店舗は銀座や表参道などに構えており、実際に商品を手に取ってご確認いただくことも可能です。時計やブランドに精通したスタッフによる丁寧な接客で、初めての方でも安心してお買い求めいただけます。
シャネルのプルミエールの資産価値についてまとめ
まとめ
- 1987年に誕生したシャネル初の腕時計「プルミエール」はブランドの象徴を凝縮したアイコニックな存在
- 2022年の復刻版登場を機に資産価値が急上昇し、定価は100万円超えを記録
- 限定モデルや付属品完備の美品を選ぶことが、将来的な資産価値を高めるポイント
シャネル プルミエールの資産価値は、ブランドの戦略的な価格改定と普遍的なデザイン性により、今後も安定して高い水準を維持する可能性が高いといえます。
投機目的の売買には向きませんが、価値が下がりにくいため、楽しみながら保有できる「賢い資産」として注目されています。
2022年の復刻版登場により、ヴィンテージモデルの価値も上昇しており、予算に応じて選択肢が広いのも魅力です。定価100万円を超える復刻版から、10万円台で購入できる初代モデルまで、それぞれに独自の価値と魅力があります。
購入の際は、モデル選び、コンディション、そして「付属品の完備」が将来の価値を大きく左右します。
信頼できる販売店として、徹底した真贋鑑定と手厚い保証を提供する当店をぜひご覧いただければ幸いです。
シャネル初の腕時計として歴史的価値を持つプルミエールは、時を超えて愛される普遍的な美しさと、確かな資産価値を兼ね備えた特別な時計といえるでしょう。
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