カルティエのホワイトゴールドジュエリーを愛用している方の中には、「なんだか黄色っぽくなってきた」「もしかして偽物?」と不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実はホワイトゴールドの変色は素材の特性上起こりうる現象であり、偽物のサインではありません。
適切なケアやメンテナンスを行えば、輝きを取り戻すことも可能です。
この記事では、カルティエのホワイトゴールドが変色する原因から、自宅でできるお手入れ方法、プロに依頼する際のポイントまで詳しく解説します。

ブランド買取販売店「ギャラリーレア」でLA部部長として勤務。業界屈指の激戦区である大阪エリアにおいて10年以上のブランド買取経験を持つ。
日本流通自主管理協会(AACD)の認定査定士として、ブランドに対する確かな知識とお客様に寄り添ったサービスを武器に第一線で活躍している。
目次
ホワイトゴールドとはどんな素材?

ホワイトゴールドは、純金に銀やパラジウムなどの白い金属を混ぜ合わせて作られる合金です。
純金は本来黄色い色味を持っているため、白い金属を約25%配合することで18金ホワイトゴールド(Au750)が完成します。
しかし、割金を混ぜても完全な白色にはならず、地金自体はシャンパンゴールドやグレーがかった色味を帯びています。そのため、プラチナのような鮮やかな白さを出すために、多くのホワイトゴールドジュエリーにはロジウムメッキが施されています。
ロジウムはプラチナ族に属する希少金属で、美しい銀白色の光沢を持つのが特徴です。
このロジウムを表面にコーティングすることで、ホワイトゴールドジュエリーは輝くような白さを実現しています。
カルティエのホワイトゴールドが変色する主な原因

カルティエのホワイトゴールドが変色してしまう原因は主に3つあります。
それぞれのメカニズムを理解することで、適切な対処法を選ぶことができるようになります。
ここでは変色の原因を詳しく見ていきましょう。
表面のメッキが剥がれてしまう
ホワイトゴールドジュエリーの変色原因として最も多いのが、表面のロジウムメッキが摩耗して剥がれてしまうケースです。
日常的な使用による摩擦や衝撃が積み重なることで、わずか数ミクロンの薄いメッキ層が徐々に削れていきます。
メッキが剥がれると、その下にある地金の色味が露出するため、黄色っぽく見えるようになります。特にリングの場合、手のひら側やエッジ部分など擦れやすい箇所から変色が始まることが多いです。
カルティエのラブリングのような平面が多いデザインは、傷や摩耗が目立ちやすい傾向にあります。毎日身につけている方の場合、数年程度で地金の色が見え始めることもあります。
この変色は汚れではなくメッキの物理的な消耗が原因のため、拭いたり洗ったりしても元には戻りません。輝きを取り戻すには、ロジウムメッキの再加工が必要になります。
金属の酸化が起こってしまう
ホワイトゴールドに含まれる割金成分が空気中の酸素や汗、化学物質と反応して酸化を起こすことも変色の原因となります。
メッキが剥がれた部分や目に見えない小さな穴から、水分や空気が入り込んで化学反応が進行します。
酸化による変色は、単なる黄色味だけでなく、赤茶色や黒ずみとして現れることもあります。特に温泉・入浴剤(硫黄)やプール(塩素)は、くすみ/変色リスクを高めるため着用は避けたほうが良いです。
汗や皮脂に含まれる成分も酸化を促進する要因となります。夏場や運動時など汗をかきやすい場面での着用は、変色リスクを高めることになります。
プールの塩素や化粧品、香水なども金属と反応する可能性があるため、これらに触れる機会が多い方は特に気をつけましょう。
日々の使用による汚れがたまる
毎日の生活の中で付着するハンドクリームや化粧品、汗、皮脂などが蓄積していくことも、ジュエリーがくすんで見える原因です。
これらの油分や汚れが薄い膜となって表面を覆い、本来の輝きを遮ってしまいます。
特にラブリングのビスモチーフの窪みや刻印部分、宝石がセッティングされている裏側などには汚れが溜まりやすくなります。全体的にくすんで見えたり、細かい部分に黒っぽい汚れが目立つようになったりします。
汚れによるくすみは、メッキ剥がれや酸化による変色とは異なり、適切なクリーニングで改善できる可能性があります。
中性洗剤で洗って綺麗になるなら「汚れ」、変わらなければ「メッキ剥がれ」や「酸化」と判断できます。
日頃からこまめにお手入れを行うことで、汚れの蓄積を防ぎ、美しい状態を長く保つことができるでしょう。
カルティエのホワイトゴールドの変色や輝きを元に戻す方法

メッキ剥がれによって黄色く変色してしまったホワイトゴールドは、残念ながら磨くだけでは元の白さを取り戻すことができません。
根本的な解決には、古いメッキを剥がして表面を研磨し、再度ロジウムの膜を電着させる「再メッキ加工」が必要となります。
カルティエでは公式の「ポリッシングサービス」を提供しています。このサービスでは研磨による傷取りとロジウムコーティングの再加工を行い、新品同様の輝きを取り戻すことができます。
リングの場合、費用は約20,680円(税込)からで、お預かり期間は約3週間から1ヶ月程度となっています。
ただし、ポリッシングサービスは地金を削る作業を伴うため、頻繁に行うことは推奨されていません。生涯で2〜3回程度が目安といわれています。
一方、カルティエでは無料の「艶出しサービス」も行っています。こちらは洗浄と軽いバフ掛けによる仕上げで、店舗によってはその場で対応してもらえることもあります。
ただし、ロジウム仕上げを施したジュエリーは対象外で、メッキ加工は含まれないため、黄変の根本解決にはなりません。
変色が気になり始めたら、まず無料の艶出しを試してみて、それでも改善しなければポリッシングサービスを検討するのが賢い選択といえるでしょう。
カルティエのホワイトゴールドが変色したらどうする?

ホワイトゴールドの変色に気づいたとき、まずは自宅でできるケアを試してみましょう。
汚れが原因であれば、適切なお手入れで輝きが戻る可能性があります。
ここでは段階を追ったケア方法を紹介します。
柔らかい布で軽く拭く
ジュエリーのお手入れの基本は、着用後に毎回柔らかい布で拭くことです。
セーム革や眼鏡拭きのような、繊維が細かく柔らかい素材を使用しましょう。
表面に付着した汗や皮脂をその日のうちに拭き取ることで、酸化の原因物質を除去できます。この習慣を続けることでロジウムメッキの寿命を延ばし、変色を遅らせる効果が期待できます。
拭く際は強く擦らず、優しく表面をなでるように行うのがポイントです。力を入れすぎると、薄いメッキ層を傷つけてしまう恐れがあります。
シルバー磨き用のクロスなど研磨剤入りの布は使用しないでください。研磨剤がメッキを削り落としてしまい、かえって変色を早める原因となります。
ぬるま湯で優しくクリーニングする
布で拭くだけでは落ちない汚れには、ぬるま湯を使ったクリーニングが効果的です。
洗面器にぬるま湯を張り、食器用の中性洗剤を数滴混ぜて洗浄液を作りましょう。
ジュエリーを洗浄液に浸し、子供用の歯ブラシなど毛先の柔らかいブラシを使って、隙間に入り込んだ汚れを優しく落としていきます。細かい部分は特に丁寧にブラッシングしてください。
洗浄後は真水でしっかりとすすぎ、洗剤成分が残らないようにします。水分は変色やシミの原因となるため、柔らかい布で完全に拭き取ることが大切です。
この方法で汚れやくすみが落ちれば、変色の原因は油膜や皮脂汚れだったということになります。劇的に輝きが戻ることも少なくありません。
それでも変色が取れないときはプロに任せる
ぬるま湯でのクリーニングを試しても黄色っぽさや黒ずみが改善しない場合は、メッキ剥がれや酸化が原因と考えられます。
この段階での自力修復は難しいため、プロの手を借りることをおすすめします。
そのまま愛用し続けたい場合は、カルティエブティックへポリッシングサービスを依頼しましょう。費用と時間はかかりますが、新品のような輝きを取り戻すことができます。
手放すことを検討している場合は、変色した状態のままでも買取査定に出すことが可能です。無理に自分で研磨剤を使って直そうとすると、刻印が薄くなったり新たな傷がついたりして、かえって買取価格が下がってしまう恐れがあります。
修理に出すか、売却して新しいジュエリーの資金にするか、それぞれのメリットを比較して判断しましょう。
カルティエのホワイトゴールドの変色に関するよくある質問

カルティエのホワイトゴールドジュエリーの変色について、多くの方が疑問に感じやすいポイントをまとめました。
正しい知識を身につけて、大切なジュエリーを長く美しく保ちましょう。
他のアクセサリーと一緒に保管すると変色しやすくなるのは本当?
複数のアクセサリーをまとめて保管することは、変色リスクを高める間接的な原因となり得ます。
特にダイヤモンドなど硬度の高い宝石が他のジュエリーの地金に触れると、傷がつきやすくなります。
傷ついた部分からは水分や空気が入り込みやすくなり、酸化や変色を引き起こす原因となることがあります。いわゆる「もらい傷」や「もらい錆び」と呼ばれる現象です。
対策としては、ジュエリーを個別の箱やポーチに入れて保管することをおすすめします。仕切りのあるジュエリーボックスを使用すれば、アクセサリー同士が接触するのを防ぐことができます。
また、保管場所は湿気の少ない場所を選びましょう。湿度が高い環境は金属の酸化を促進してしまいます。
変色したカルティエのホワイトゴールドは自宅ケアだけで元に戻せる?
汚れやくすみが原因の場合は、自宅でのクリーニングで輝きを取り戻せる可能性があります。
中性洗剤を使ったぬるま湯洗いで改善するケースは少なくありません。
しかし、メッキ剥がれによる黄変は自宅ケアでは修復できません。失われたロジウム金属を家庭で補充することは不可能だからです。
市販のメッキ補修液を使用するとムラになりやすく、ジュエリーの資産価値を損なう恐れがあるため避けてください。
変色の原因が判断できない場合は、まず自宅でのクリーニングを試してみましょう。それでも改善しなければ、プロへの相談をおすすめします。
自己判断で研磨剤を使用したり、強く磨いたりすることは、状態を悪化させる原因となるため控えましょう。
カルティエのホワイトゴールドの変色を防ぐために普段から気をつけたいことは?
変色を予防するためには、日常生活の中で3つのポイントに気をつけることが大切です。
まず、水や化学物質との接触を避けましょう。入浴時、特に温泉やプールに入る際は必ずジュエリーを外してください。
次に、物理的な摩擦を減らすことも重要です。重いものを持つ作業やスポーツをする際は外しておくと、メッキの摩耗を防ぐことができます。
家事の際にも外す習慣をつけると、洗剤や水との接触を避けられるうえ、傷の防止にもなります。
そして、使用後のお手入れを怠らないことが何より大切です。汗や皮脂が付着したまま放置すると、酸化の原因となります。着用後は毎回柔らかい布で拭いてから保管する習慣を身につけましょう。
これらの習慣を続けることで、ホワイトゴールドの美しい輝きをより長く楽しむことができます。
カルティエのホワイトゴールドの変色についてまとめ
まとめ
- 基本は“柔らかい布で拭く・水回りでは外す・個別保管しておくことが大切
- ホワイト系は、表面状態(小傷・くすみ)で印象が変わりやすい
- 自己流で強く磨く/強い薬剤を使うなどのNGケアは悪化の原因になる
カルティエのホワイトゴールドが変色する原因は、主にロジウムメッキの摩耗、金属の酸化、日常的な汚れの蓄積の3つです。
変色は素材の特性上起こりうる現象であり、偽物のサインではないためご安心ください。
汚れが原因のくすみであれば、柔らかい布で拭いたり中性洗剤を使ったクリーニングで改善できる場合があります。一方、メッキ剥がれによる黄変は自宅ケアでは直らないため、カルティエのポリッシングサービスを利用するか、買い替えを検討することになります。
日頃から着用後のお手入れを習慣にし、水分や化学物質との接触を避けることで、変色の進行を遅らせることが可能です。
変色してしまった場合でも、適切な対処法を選べば輝きを取り戻すことができますので、諦めずにケアを続けていきましょう。
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