優れた性能と外見の美しさから、人々を惹きつけてやまないロレックス。しかし、そのロレックスにも「不人気と言われるモデル」があります。
不人気モデルの特徴には、デザイン性や機能性において、強い支持を得にくい点が挙げられます。しかし、「大衆人気が低くとも、コアなファンから根強い人気を持つモデル」も多く、時計の価値が劣るわけではありません。
ここでは、「ロレックスの不人気モデル」と呼ばれる時計を取り上げ、改めてその魅力に迫ります。

ブランド買取販売店「ギャラリーレア」で常務執行役員として勤務。高級時計、宝石の査定を得意とし、業界で15年以上の豊富な経験を持つ。
現在は「お客様にとっての特別な企業になる」という信念と共に、国内11の店舗を統括している。
目次
ロレックスの不人気モデル8選を紹介!
ロレックスの不人気モデルは複数存在しますが、中でも代表的なモデルについて、詳しく紹介します。
1.ロレックス エアキング

ロレックス エアキング ランダムシリアル ルーレット 116900 ROLEX
参考価格:1,275,000円
エアキングは、ロレックスが1930年代より意識している「空の世界」にリスペクトを示したモデルです。
空の世界で活躍するパイロットは、頑丈さと正確さを備えるロレックスの時計を愛し、相棒のように用いてきました。尊敬すべき先人たちをオマージュし、航空業界の進化を称える時計として、エアキングは誕生します。頑丈さと正確さを備えたエアキングは、定年を迎えたパイロットに贈られる時計でもありました。
エアキングは、文字盤のみのシンプルさが特徴。あえて飾らない美しさが気品となり、格式の高さを感じさせます。現役時代には多機能な時計を愛したパイロットが、陸ではすべてを取り払い、重厚さと高級感のみをまとう。シンプルな美しさを見れば、そのような物語が思い浮かぶでしょう。
不人気と言われるのは、GMTマスターなどに比べ、デザインがシンプルすぎるためです。しかし、根強いファンも存在し、エアキングを好む層も存在します。中古市場でロレックスが値上がりする中、エアキングは100万円以下で購入できるモデルもあり、初心者に優しいモデルともいえるでしょう。
2.ロレックス エクスプローラー2

ロレックス エクスプローラー2 ランダムシリアル ルーレット 216570 ROLEX
参考価格:1,334,100円
ロレックスの中でも、「ダサい」と評されるのが「エクスプローラー2」です。
エクスプローラー2は、エクスプローラー1の上位モデルとして、1970年代に発売されました。冒険家のために造られたエクスプローラー1の特徴を踏襲の上、24時間ベゼルとオレンジの24時間針を搭載。また、より見やすいドットインデックスを採用するなど、1を超える使いやすさを目指しました。
しかし、ドットインデックスのシンプルさが「格好良くない」「おしゃれに見えない」とされることも。また、夜光塗料も普段使いには不要なため、メリットの解りにくさも不人気の理由です。
では、「そんなにダサいモデルなのか」と言えば、そうではありません。エクスプローラー2の不人気に関しては、エクスプローラー1の人気があまりに高く、比較されやすいことも原因でしょう。シンプルだからこそ、カジュアルなファッションにも良く似合います。また、GMT機能搭載のため、海外でも便利に使用可能です。
3.ロレックス ヨットマスター2

ロレックス ヨットマスター2 ランダムシリアル ルーレット
参考価格:2,550,000円
2007年に発売されたヨットマスターは、本格的なヨットレースに対応したスポーツモデルです。ヨットマスター1に比べ、ケースは40ミリ径から44ミリ径へとバージョンアップされ、より専門的なレースのカウントダウン機能付きレガッタクロノグラフ機構を搭載しました。文字盤は白で統一されており、海を思わせるさわやかなデザインが魅力です。
一方で、ヨットレースに馴染みのない人には、カウントダウン機能が「過剰すぎる」との印象も。ヨットレースのカウントダウン機能は、レースをする人には便利ですが、日常生活には必要ありません。また、操作方法も難しく、間違えると故障のリスクがある点も、デメリットとされます。
ヨットマスターが持つイメージも不人気の一因です。ヨットマスターは「リゾート地で富裕層が使用する時計」として発売され、当初はオールイエローゴールドがあしらわれました。富裕層のみが手にできる値段が、それ以外の層を遠ざけ、2発売後も「不人気モデル」のイメージとなったのです。
このような原因から、ヨットマスター2は2024年に廃盤となりました。しかし、店頭に並ばないことがレア感につながり、今後の人気上昇も見込まれています。
4.ロレックス チェリーニ

ロレックス 時計 商品一覧
参考価格:3,243,600円
チェリーニは、ロレックス発のドレスウォッチです。ロレックスの特徴である機能性や頑丈さよりも、見た目の美しさを重視しています。デイトナやサブマリーナといったスポーティーなデザインではなく、ドレッシーで華奢な印象を持つ点が大きな特徴です。
チェリーニの歴史は古く、誕生は1920年代に遡ります。名称は、イタリアの彫刻家ベンヴェヌート・チェッリーニに由来し、エレガントさと気品あふれる作品のイメージを重ねています。当初は長方形(レクタンギュラー)のケースを用い、その美しさで当時の人々を虜にしました。
2014年には、新たな進化を遂げたチェリーニが発売され、話題を呼んでいます。ムーンフェイズの美しさは他になく、今後も多くの人に愛されるでしょう。
しかし、万人しにくいデザインのため、コア層にこのまれやすいデザインです。万人受けではなく、「変わったデザインの時計が欲しい」「スポーティーなデザインより、ドレッシーなものがすき」という方におすすめです。
5.ロレックス ミルガウス

ロレックス ミルガウス グリーンガラス ランダムシリアル ルーレット
参考価格:1,917,600円
ミルガウスは、ロレックスで唯一の耐磁性に特化したモデルです。「ミル」はフランス語で1000、ガウスは磁束密度を指し、「1000ガウス」の意味を持ちます。ミルガウスの誕生は1956年、強い磁気にさらされる医師・研究職員のために開発されました。
しかし、コンセプトの特殊性から人気が伸び悩み、1988年に廃盤となりました。その後はレアモデルとして注目を集めますが。2007年代に再びコレクションに登場。日の目を見ることになります。
復刻したミルガウスは、黒文字盤・白文字盤・グリーンガラス+白文字盤の3タイプが発売されました。しかし、のちにグリーンガラスのみの展開となります。2014年には、鮮やかなブルーグリーンをまとうモデルが追加され、注目されました。
その後も販売が続いたものの、2023年には再びカタログから名前が消え、生産終了の状態に。
度重なる廃盤から不遇のモデルとも言えますが、それがレア感につながっています。また、ミルガウス特有のグリーンガラスや稲妻秒針など、ユニークなデザインも玄人に好まれ、人気を集めるモデルです。
6.ロレックス ディープシー

ロレックス シードゥエラー ディープシー ランダムシリアル ルーレット
参考価格:2,356,200円
ディープシーは、ロレックスのダイバーズウォッチの中でハイエンドにあたるモデルです。大人気のサブマリーナ、上位モデルのシードゥエラーより高い性能を持ち、ロレックスが持つ技術のすべてを詰め込んだモデルといえます。
ハイエンドモデルに恥じず、世界最高峰の3,900メートルの耐水性を搭載。2008年の登場以来、世界中のダイバーに愛用されているほか、ファッションウォッチとしても活躍中です。水圧に耐えられるよう、ケースは18ミリの厚みと44ミリの大きさを持ち、見た目には重厚感が感じられるでしょう。
しかし、時計の厚みや大きさは、日常生活に適しているとはいえません。特に、ビジネスシーンでは使用が難しいでしょう。優れた耐水性も、ダイバー以外からはオーバースペックと評され、人気は伸び悩みました。それでも、「存在感ある時計が欲しい」という層からは、相変わらず高い人気を得ています。
7.ロレックス デイデイト

ロレックス デイデイト商品一覧
参考価格:3,264,000円
ロレックスのデイデイトは、日付・曜日の同時表示をする機能を持つ、世界初の腕時計です。
1956年に誕生したデイデイトは、当時のアイゼンハワー大統領へ贈られたことをきっかけに、「最高級の時計」と認知されました。もちろん、これは戦略です。スポーツモデルで成功を収めたロレックスは、大統領を広告塔に、高級モデルの成功も手に入れました。
高級素材に特化し、使用されるのはイエローゴールド・ピンクゴールド・ホワイトゴールド・プラチナの4種のみです。また、象徴的な3連タイプのブレスは、「プレジデントブレス」と呼ばれる特別なもの。大統領が身につけるのにふさわしい、力強いデザインが特徴です。
フルスペルで表示される曜日は、デイデイトをきっかけに他社でも流行したといわれています。
ロレックスらしい豪奢な装い、気品を備えたデイデイトですが、高額なために人気は伸び悩みました。しかし、金の価値が上昇している現在、デイデイトの市場人気は上昇しつつあります。
8.ロレックス シードゥエラー

ロレックス シードゥエラー 126603 ROLEX
参考価格:1,917,600円
ロレックスのシードゥエラーは「海の居住者」という意味を持ち、深海探索のためにつくられたモデルです。
ロレックスには、ダイバーウォッチとして人気の「サブマリーナ」がありますが、シードゥエラーはよりプロフェッショナルに特化しました。1967年に発売された初期モデルは、サブマリーナの3倍にあたる610メートルの防水に成功。のちに、3,900m防水の機能を持つディープシーの開発にもつながっています。
また、ステンレス製にこだわるロレックスが、はじめてゴールドを用いたモデルであり、ロレックスの歴史には欠かせないモデルです。
このように、高い機能性を持つシードゥエラーですが、日常使いとしては「オーバースペック」と評価される傾向も。また、圧倒的な人気を持つサブマリーナに人気に押され、人気は低迷傾向にあります。
ロレックスの不人気モデルの理由5選!

ロレックスの不人気モデルには、支持を得にくいいくつかの特徴があります。不人気になりやすい原因について、詳しく解説します。
価格が他のモデルに比べて高い
まず、価格が高額なモデルは不人気になりやすいです。
ロレックスの定価は100万円を超えるものが多く、高級時計に分類されます。しかし、300万~500万円の最上位クラスとなると、富裕層以外は購入できません。100万~200万の時計であれば、ボーナスを貯めるなどして購入できても、最上位クラスは難しいでしょう。
例えば、ロレックスの最上位モデルとされるデイデイトは、500万を超える定価も珍しくありません。素材がゴールドやプラチナに限られる点が原因ですが、高額なモデルは「手に入りにくい」という理由で不人気となります。
一方で、最上位モデルは所持がステータスにもなり、憧れの存在ともいえます。不人気というよりも、「手が届かないモデル」の表現が正しいでしょう。
買取率が高くない
ロレックスで不人気とされるモデルは、買取市場の買取率と密接な関係があります。買取率とは、「購入した金額に対する買取額の割合」を指します。簡単にいえば、「定価の何割で買取が可能か」という割合です。
現在のロレックスはただの高級時計ではありません。高額で価値が下がりにくい点から、投資のために購入されることも多いです。投資の対象となる時計は、価値が上がりやすいモデルに限られるため、不人気モデルが出るのは必然でしょう。
たとえば、現在は金やプラチナの価値が上昇傾向にあるため、金・プラチナを用いた時計は投資の対象になりやすいです。
このため、不人気モデルは性能やデザイン性が劣るわけではありません。
機能が複雑で使用しづらい
機能が多すぎる時計は「オーバースペック」と判断され、不人気モデルになりやすいです。
例えば、マリンスポーツを楽しむ人には、防水性に優れた時計が相応しいでしょう。しかし、深海で使用するような、過度な防水機能は必要ありません。ダイバー用のサブマリーナは必要でも、深海で使用可能なディープシーは必要ないのです。
スペックが高い時計ほど高額になりやすく、その点も人気の低さにつながっています。
サイズが大きく普段使いしづらい
サイズが大きい時計も不人気になりやすいです。
一般的に、時計のサイズは38~45ミリが多く、42ミリ以上になると「大きい」と感じます。ロレックスだと定番モデルは40ミリ、大きいとされるのは42ミリ以上です。
42ミリ以上のサイズになると、腕に対して「大きい」と感じることが多く、目立ちすぎる印象があります。日常では問題なくとも、ビジネスシーンでは「スーツに似合わない」「高級時計を自慢しているように見える」とされ、避けることが増えます。また、大きな時計は厚みや重量の大きさにもつながり、使いにくいとされることも。
しかし、大きい時計は存在感があり、ファッションウォッチとしてはむしろ人気が高いこともあります。
ロレックスらしくないデザイン
「ロレックスらしくないデザイン」も、不人気になりやすい条件のひとつです。
ロレックスはデザインを非常に大切にしており、普遍的な美しさをブランドパワーにつなげてきました。一目でロレックスとわかるロゴ、デザインはブランドの宝でもあります。いつの時代も変わらない、クラシカルなデザインこそ魅であり、流行りに左右されません。
流行り廃りが少ないことは、安定した人気につながり、投資にも相応しいと判断されます。
エアキングやチェリーニが不人気なのは、従来のデザインから離れたことが原因でしょう。しかし、その珍しさを好み、購入する人も少なくありません。
ロレックスの不人気モデルの市場価値が上がるケース

ロレックスの不人気モデルであっても、市場価値が急上昇するケースがあります。例えば、製造中止による希少性の高まりや、有名人の着用による注目度の上昇などが挙げられます。ここではその具体的なケースをご紹介します。
製造中止で入手困難になった
製造中止になると、そのモデルは「廃盤」となりカタログに掲載されません。店頭にも並ばなくなるため、入手困難となります。人間、「もう手に入らなくなる」と言われると欲しくなるもの。製造中止になったとたん、残りの店頭在庫を求める人が増え、人気モデルになることは少なくありません。
中古市場でも探す人が増え、時計の価値が上昇することが多いです。
ハリウッド映画などで有名人が着用した
ハリウッド映画で俳優が身につけるなどのケースも、時計の人気上昇につながります。
たとえば、映画「007」では主演のジェームズ・ボンドがロレックスの時計を身につけ、人気が上昇しました。イアン・フレミングの原作でボンドが身につけたのが、ロレックスのオイスターパーペチュアルだったためです。映画ではサブマリーナを使用しており、こちらも人気が上がっています。
映画「ミッション:インポッシブル」のPRでも、主演のトム・クルーズがデイトナを使用し、注目度が上昇しています。
このように、著名な俳優やアイドルが身につけることで、時計の人気が上昇するケースは少なくありません。
ロレックスの不人気モデルは購入しない方がいい?

欲しいと思った時計を、「不人気だから」という理由で見送るのは、もったいないことです。世間の評価に左右されず、自分が欲しいと思った時計を購入しましょう。
市場の評価は時計の価値の一部分にすぎず、最終的な価値は手にする人本人が定めます。「欲しい」と思った時計がその人の最上であり、その決定は誰かに覆されるものではありません。身につけたときに気分が明るくなり、楽しい気持ちになれることが、時計選びではいちばん重要です。
ロレックスの時計には、どのモデルにも企業のこだわり・技術が詰め込まれており、最高品質なのは間違いありません。また、それぞれの時計には必ずストーリーがあります。「なぜその時計が作られたのか」を調べれば、さらに「欲しい」という気持ちが高まるでしょう。
ロレックスを安く購入するならどこがおすすめ?

「不人気」とされるモデルも、ロレックスである以上は高額です。「高くてもロレックスを諦めたくない」と考えたときは、ブランドリユース店を利用しましょう。
「ギャラリーレア」は、ロレックスのあらゆるモデルが数多く揃います。レアなモデルの取り扱いもありますので、必ず理想の時計に出会えるでしょう。
どのような質問にも対応いたしますので、疑問点があれば公式サイトまでお寄せください。
ロレックスの不人気モデルについてまとめ
まとめ
- ロレックスの不人気モデルは品質・デザインが劣るわけではない
- 世間の評価に左右されず好きなもの選ぶのがいちばん
- 欲しいモデルがないときはブランドリユース店を利用する
世界中の人が憧れるロレックスにも、不人気モデルは存在します。しかし、不人気モデルは性能・デザイン性が劣るわけではなく、「高額すぎて購入できない」「ロレックス定番ではない」という理由がほとんどです。もし「欲しい」と思ったモデルが不人気でも、気にする必要はありません。
また、ロレックス自体の人気が高いため、ブランド内における人気・不人気は問題にならないでしょう。自分が好む時計を購入し、人生の相棒として大切に使用してください。
もし、欲しいモデルが見つからない場合には、ブランドリユース店の利用をおすすめします。
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