オメガとスウォッチのコラボレーションモデル「ムーンスウォッチ」は、高級時計ブランドとカジュアルブランドの組み合わせから高い注目を集めました。その人気は現在も続いており、4万700円(税込)の定価以上で販売されることも珍しくありません。
今回は、ムーンスウォッチが人気の理由や、太陽系からオマージュされた11種類のモデルを詳しく解説するとともに、新品・中古での各購入方法をお伝えします。話題のオンライン販売にも触れているので、ムーンスウォッチが気になる方はぜひご覧ください。
ブランド買取販売店「ギャラリーレア」でLA部部長として勤務。業界屈指の激戦区である大阪エリアにおいて10年以上のブランド買取経験を持つ。
日本流通自主管理協会(AACD)の認定査定士として、ブランドに対する確かな知識とお客様に寄り添ったサービスを武器に第一線で活躍している。
目次
オメガのスウォッチとはどんな時計?発売されたのはいつ?
オメガ×スウォッチのコラボレーションモデル「ムーンスウォッチ」は、2022年3月の発売以来、高い注目を集めている時計です。高級時計のオメガとカジュアル時計ブランドのスウォッチがコラボしたモデルだけあり、発売当時は大きな反響を呼びました。その人気は翳りを見せることなく、入手困難なモデルとして定着しています。
ムーンスウォッチがここまで高い人気を持つのは、オメガの代表格ともいえるスピードマスターがベースデザインになっているため。スピードマスターは初めて月に降り立ったモデルであり、別名「ムーンウォッチ」と呼ばれています。ムーンウォッチとスウォッチをかけて「ムーンスウォッチ」と名付けられ、各ブランドの特徴がしっかりと落とし込まれた魅力的なモデルとして発売されました。
例えば、ムーンウォッチの特徴にはタキタメーターベゼルや左右非対称ケースが挙げられ、スウォッチからは独自のバイオセラミック素材が使われています。
価格帯は4万700円と、100万円台のスピードマスターからは考えられないほどの価格です。この入手しやすい価格帯も、ムーンスウォッチの人気の1つであると考えられます。
オメガのスウォッチの定価は?コラボ時計11種類を解説!
ムーンスウォッチには、地球を含む太陽系の惑星と衛星をテーマにした11種類のモデルシリーズがあります。宇宙と関係が深いオメガならではのシリーズでもあり、オメガファンにとってはたまらないラインアップといえるでしょう。
ほかにもスヌーピーとの限定コラボモデルや、ブルームーンからインスパイアされた限定モデルも発表されています。今回は限定モデルではなく、通常販売されている惑星シリーズを見ていきましょう。
1.Mission on Earth
私たちが住まう奇跡の惑星・地球の美しさを表現した「Mission on Earth」。豊かな緑と深くくすみがかった青色は、地球を形成する自然が表されています。
文字盤のインデックス・ベゼル・時針・分針など、時計の機能を果たす重要なパーツは全て白で統一。文字盤とのコントラストにより視認性が向上し、日常での使い勝手もよいでしょう。秒針は肥沃な大地を描写したかのような赤茶色で、個性的なカラーバランスを楽しめるモデルです。
ムーンスウォッチにはさまざまな遊び心が仕組まれており、「Mission on Earth」ではケース裏にリアルな地球が描かれています。
2024年6月には、「地球」に関するモデルとして「溶岩」「砂漠」「オーロラ」のモデルが発表されました。地球をオマージュしたモデルに興味がある方は、ぜひそちらにも注目してみてください。
2.Mission to the Moon
ムーンスウォッチのなかでも高い人気を誇るのが、この「Mission to the Moon」。オメガのスピードマスターの特徴を踏襲した、高い再現度が人気の理由です。
文字盤やベゼルといった主要な部分は黒、時針や分針、クロノグラフは白で統一されており、シックなカラーリングでまとめられている点も魅力の1つ。スピードマスターを忠実に再現したモデルであることから、ムーンスウォッチの特徴であるベルクロストラップをレザーベルトなどに変更する方もいらっしゃいます。
もともとベルクロストラップは、宇宙服をイメージした素材でできています。しかし装着する方によっては、装着感の馴染みが悪いことも。オメガとスウォッチのブランドロゴが入ったベルクロストラップにこだわらない方は、ベルトの変更もぜひ検討してみてください。
ちなみに「Mission to the Moon」のケース裏には、地球には欠かせない衛星・月が美しく描かれています。
3.Mission to Neptune
「Mission to Neptune」は、太陽系を形成する惑星のうち、太陽から一番遠いところを公転する海王星をオマージュしたモデル。海王星は地球の17倍以上の大きさを持ち、「氷の巨人」とも呼ばれるほど強大な惑星です。地球のような明るい青さとは異なる、さらに深い紺色の美しさをまとっています。
この海王星を表現した「Mission to Neptune」のカラーリングは、ディープネイビーを文字盤とベゼルに配置し、時針や秒針、インデックスなどは浮かび上がるような白を採用。はっきりとしたコントラストは視認性がよく、時計としての使い心地を保証します。
このコントラストを和らげるのは、ケースやリューズに使われているくすみがかかったブルーカラー。さわやかさとクールな印象をバランスよく取り入れたモデルです。
4.Mission to Uranus
参考定価:40,700円(税込)
真っ暗な宇宙に浮かぶターコイズカラーの惑星・天王星をイメージした「Mission to Uranus」。海王星の隣に並ぶ天王星は、地球の4倍の幅を持ちます。強大な氷惑星としても知られる天王星を形成するのは、主にガスと氷です。太陽系では海王星より太陽に近いにも関わらず、最も寒い惑星といわれています。
しかしこの厳しい環境とは対照的に、天王星の明るく、美しい彩りに魅了される人は少なくありません。このカラーを忠実に再現した「Mission to Uranus」はジェンダーレスで、装着する人を選ばないことも魅力の1つ。「Mission to Uranus」のターコイズカラーはティファニーカラーを連想させ、とくに女性から高い人気を得ています。
ベゼルや各針、ベルクロストラップは白でまとめられており、カジュアルスタイルによく馴染むデザインです。
5.Mission to Saturn
ローマ神話に登場する農耕神「サターン」の名を持つ土星を表現した「Mission to Saturn」。サンドベージュでまとめ上げた落ち着きのあるデザインです。
クロノグラフの秒針やベゼルはブラウンに、秒針はカーキ、文字盤はサンドベージュと、類似色を採用することでカジュアル感を抑え、さまざまなスタイルに馴染ませられます。
「Mission to Saturn」で注目すべきは、6時位置に描かれた土星です。惑星シリーズでは、文字盤にモデル名の惑星が描かれているのは、この「Mission to Saturn」のみ。土星を象徴する輪もしっかりと表現されており、オメガとスウォッチの遊び心を感じられるモデルともいえるでしょう。
ちなみに似たようなカラーリングでは、「Mission to Jupiter」があります。こちらは淡いベージュカラーで、女性も身につけやすいデザインなので、ぜひあわせてチェックしてみてください。
6.Mission to Pluto
参考定価:40,700円(税込)
冥王星は太陽系から最も遠い場所に位置する準惑星で、月のような乳白色と、赤褐色が入り混じった色をしています。ローマ神話の冥王・プルートから名付けられており、独特の美しさを持つ準惑星です。この特徴をムーンスウォッチの「Mission to Pluto」に巧みに取り入れ、冥王星カラーが見事に表現されています。
「Mission to Pluto」は、文字盤にアイボリー、ベゼルやインダイアルはバーガンディを配色。サブダイアルには、バーガンディからピンクへと変わるグラデーションが円を描き、ポイントとしてデザインされています。時針・分針は白と黒で構成され、細かい部分にもムーンスウォッチの高いデザイン性が光ります。
「Mission to Pluto」のケース裏にもリアルな冥王星が描かれており、随所に仕込まれたワクワクする要素は、惑星シリーズを集めて自分だけの太陽系を完成させたくなるような衝動を駆り立てます。このワクワク感こそ、ムーンスウォッチならではの魅力といえるでしょう。
7.Mission to Mercury
参考定価:40,700円(税込)
水星は太陽に最も近く、表面温度が約430℃にも達する惑星で、月のようにクレーターが地表に広がっています。水星という名前から水の惑星が容易に連想されますが、実際はディープグレーの月に近い色をしています。「Mission to Mercury」はこのカラーリングを忠実に再現しており、全体的にシックな雰囲気でまとめられたモデルです。
ぱっと見た印象は、オメガのスピードマスターやそのデザインを踏襲した「Mission to the Moon」と見紛うものがあります。しかし「Mission to the Moon」は白と黒のコントラストが特徴であり、「Mission to Mercury」はディープグレーの柔らかさ魅力です。
文字盤とケース、ベルクロストラップにこのディープグレーを採用し、ベゼルやサブダイアルは黒で構成されています。インデックスや時針などは白であることから、視認性も高くクレーターのような立体感のあるデザインが特徴的です。
8.Mission to the Sun
参考定価:40,700円(税込)
太陽系の中心で輝く太陽をデザインした「Mission to the Sun」。惑星シリーズのうち最も目を引く鮮やかなカラーリングが、まさに太陽を思わせます。惑星シリーズをコレクションする方にとって、「Mission to the Sun」はとくに欠かせないモデルともいえるでしょう。
「Mission to the Sun」はシリーズのうち、唯一サンレイダイアルを採用したモデルです。サンレイダイアルとは、太陽光線のように細かな線が放射線状に広がる装飾技法のこと。この技法は「Mission to the Sun」の名に相応しく、時計そのものを太陽として見事表現しています。
文字盤は光沢のあるイエローのサンレイによって特別感を演出し、ベゼルやサブダイアルは白、秒針・サブダイアルの針をオレンジにすることで、全体的にバランスの取れたカラーリングに仕上がっています。
9.Mission to Mars
「Mission to Mars」は、地球の隣に並ぶ火星から着想を得たモデル。火星は太陽系のなかで最も赤く輝く惑星です。火星の岩石・砂に酸化鉄が多く混じっていることから赤く輝き、妖艶な美しさを醸し出す惑星でもあります。
この美しさを落とし込んだ「Mission to Mars」は、ケースとリューズ、宇宙船の形をしたサブダイアルの各針に火星を象徴する赤褐色を使用。文字盤やベゼル、ベルクロストラップを明るい白色にすることで、主張し過ぎない見事なカラーバランスで火星を表現しています。
ダークトーンでまとまりがちな冬の装いや、シンプルなカジュアルファッションのアクセントにもなる、ファッショナブルなモデルといえるでしょう。
10.Mission to Venus
金星は夜空で最も明るく輝く星であることから、美の女神・ビーナスが名付けられたそうです。この名を冠する「Mission to Venus」は、美の女神に相応しい女性らしさあふれるディテールのデザイン。
各針やベゼルの縁取り、ケースなどをやわらかいパステルカラーのピンクで仕立て、文字盤は金星を連想させる黄色で統一されています。「Mission to Venus」は、この配色やデザインにより女性から高い人気を誇るモデルです。
またムーンスウォッチならではの遊び心として、サブダイアルを囲うようにメレダイヤの絵柄が差し込まれている点も、女性から注目される理由の1つでしょう。全体的にエレガントで可愛らしい時計に仕上がっています。
11.Mission to Jupiter
参考定価:40,700円(税込)
雲の縞模様が特徴的な木星を連想させる「Mission to Jupiter」。全体を明るいベージュで統一したクラシカルな雰囲気のモデルです。先に登場した「Mission to Saturn」とはカラートーンが類似していますが、こちらはベゼルもベージュであるため、よりジェンダーレスなモデルといえるかもしれません。
「Mission to Jupiter」で注目したいのは、オレンジ色のサブダイアル針と秒針。これはアクセントカラーの役割も果たしていますが、スピードマスターのヴィンテージモデルの1つに数えられる「Speedmaster Ultraman」をオマージュしたもの。「Speedmaster Ultraman」はオメガ愛好家から高い人気を誇るモデルであり、「Mission to Jupiter」と同様のオレンジ色の秒針を持ちます。
スウォッチ公式サイトでも掲げられているように「Mission to Jupiter」はコレクターに向けたムーンスウォッチともいえるでしょう。
オメガのスウォッチはオンラインでも購入できる
- オンライン販売がスタートしたのは限定4モデル
- 購入できる国はアメリカ・中国の2カ国のみ
オメガとスウォッチのコラボレーションモデル・ムーンスウォッチは、冒頭でも触れた通り、発売当初から高い注目を集める入手困難な時計です。そのような時計がオンラインで購入できれば、より多くの方がムーンスウォッチを入手できる機会に恵まれるでしょう。
以前は公式店舗のみでしか購入できなかったムーンスウォッチは、2024年10月現在、アメリカと中国の2カ国のみで入手可能になりました。日本のスウォッチ公式サイト・スウォッチジャパンではまだオンライン販売が解禁されていませんが、発売2年を経て、他国でオンラインでの購入が可能になったことは大きな進歩といえるでしょう。
なお、アメリカ・中国のスウォッチ公式サイトからは、日本への直接の輸入は行えません。発送先は、それぞれアメリカと中国の国内のみしか指定できないため注意しましょう。
またアメリカと中国でオンライン販売が解禁されたムーンスウォッチは、4モデルに限定されます。「Mission on Earth」「Mission to the Moon」「Mission to the Sun」「Mission to Mars」のみが、2024年10月時点で購入可能なモデルです。今後の展開によってはほかのモデルも解禁になる可能性があり、いずれはスウォッチジャパンでの販売もスタートするかもしれません。
オメガのスウォッチはどこで手に入る?おすすめの入手方法とは
オメガのスウォッチはオンラインでも購入可能となりましたが、アメリカと中国のみと限定されており、日本でのオンライン販売は未定です。それでは、日本で入手困難なムーンスウォッチを手に入れるにはどのような方法があるのでしょうか?
1つずつムーンスウォッチの入手方法を見ていきましょう。
正規店で購入する
最も確実な方法はスウォッチ正規店での購入です。ただし、日本国内の全店舗でムーンスウォッチが購入できるわけではなく、限られている点に注意が必要です。ムーンスウォッチ取扱店舗はスウォッチジャパン公式サイトから確認できます。
例えば、「Mission to the Moon」の取扱店舗を調べたい場合は、公式サイトの紹介ページまで進み、「MoonSwatchストアを見る」をクリックすると該当店舗が表示されます。発売当初から比べると取扱店舗は徐々に増えており、多くの方がムーンスウォッチを手にできる機会が増えてきました。
ただ、在庫が確実にあるというわけではなく、訪問するまでわからない点には注意しましょう。在庫は拡充されつつありますが、「Mission to the Moon」のような人気モデルは混雑時には売り切れとなる可能性もあります。
ポップアップツアーで購入する
ムーンスウォッチの取扱店舗が遠く、来店が難しい方はスウォッチが開催する「ムーンスウォッチツアー」での購入が狙い目です。これはスウォッチのツアー車が国内各地を巡り、開催地でムーンスウォッチを販売するという企画。
告知は、Xのスウォッチジャパン公式アカウントより発信されます。2024年10月には沖縄や富士山五合目で開催されました。定期的に全国でムーンスウォッチツアーが開催されており、告知を見逃さなければアクセスしやすい場所で購入が可能となるでしょう。
オメガのスウォッチを購入するなら中古もおすすめ!
新品はスウォッチ正規店やムーンスウォッチツアーで購入することがおすすめです。一方で、「今すぐ手元に欲しいモデルがある」「もう販売されていない限定モデルを狙っている」といった方には、中古という選択肢もあります。
中古でムーンスウォッチを購入するには「フリマアプリ」「オークションサイト」「ブランド買取店」があり、このうちフリマアプリ・オークションサイトはブランド買取店に比べ、コピー品の購入率が上がります。ロレックスやオメガといった高級ブランド時計のコピー品が多く出回っていることは周知の事実ですが、ムーンスウォッチも同様です。
また個人間取引はトラブルのリスクが常に付きまとうため、せっかく楽しみに購入したムーンスウォッチにネガティブな思い出が残る可能性もあるでしょう。
ムーンスウォッチの中古を検討するならば、高い査定力を持つブランド買取店での購入が推奨されます。ギャラリーレアでは持ち込まれた製品に対し、7回以上の査定を行い、高い確率で真贋を見分けています。そのため、「本物じゃなかったらどうしよう」という不安から解放され、ムーンスウォッチを選ぶ過程からお楽しみいただけるでしょう。
オメガのスウォッチの定価についてまとめ
まとめ
- ムーンスウォッチの定価は4万700円(2024年10月時点)
- 2022年3月から現在まで高い人気を誇るコラボモデル
- オンラインで購入できるのはアメリカ・中国のみ
- 日本では正規店・ムーンスウォッチツアー・ブランド買取店で購入可能
オメガとスウォッチのコラボレーションモデル「ムーンスウォッチ」は、2022年3月の発売当初から需要が高く、生産が追い付かないことから入手困難なモデルといわれてきました。そのため以前は、ムーンスウォッチの定価である4万700円を上回る価格で取引が行われていましたが、現在は在庫の拡充により落ち着きつつあります。
望まれてきたオンライン販売はアメリカ・中国のみで解禁され、より入手しやすいモデルとして今後広がりを見せるでしょう。ただし日本では依然としてオンライン販売が解禁されておらず、正規店・ムーンスウォッチツアーのみでしか入手できないため、まだまだ希少性の高い時計です。
できるだけ早く手元に欲しい方や目当てのモデルがある方は、ムーンスウォッチの中古にも目を向けてみましょう。その際はムーンスウォッチのコピー品被害を避けるため、ブランド買取店での購入がおすすめです。
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