エルメスのカデナ（南京錠）は、バッグの象徴的なアクセサリーとして多くの方に愛されています。
しかし、その人気の高さゆえに精巧な偽物も出回っており、「本物かどうか不安」という声も少なくありません。
そこで今回は、プロの視点からエルメスのカデナの偽物を見分ける方法を徹底解説いたします。
カデナの基本知識から、鑑定ポイント、そして安心して本物を手に入れる方法まで、詳しくご紹介させていただきます。
ブランド買取販売店「ギャラリーレア」で青山表参道店の店長として勤務。高級ブランドの旗艦店が立ち並ぶ表参道エリアにおいて、お客様の立場に寄り添った丁寧なヒアリング接客を武器に活躍。日・英・仏の3か国語を操り、国内だけではなく海外のお客様からの信頼も厚い。
目次
エルメスのカデナとは？意味や使われ方を解説
エルメスのカデナは、単なる錠前を超えた特別な存在です。
バーキンやケリーといったアイコンバッグに付属する機能的なものから、コレクターズアイテムとしてのモチーフカデナまで、その種類は多岐にわたります。
ここでは、カデナの意味や使われ方について詳しくご説明いたします。
フランス語で南京錠を表す
エルメス バーキン35 ゴールド/ゴールド金具 トゴ □K刻印 HERMES Birkin
「カデナ」という名前は、フランス語で南京錠そのものを意味する言葉です。
エルメスにおいては、この小さな金属製のアイテムが、ブランドの象徴的な存在として位置づけられています。
エルメスのカデナには、大きく分けて2つのタイプが存在します。
ひとつは、バッグの防犯機能を担う実用的なカデナで、もうひとつは装飾性を重視したモチーフカデナです。前者はバッグ購入時に付属品として付いてくるもので、後者は単体で販売される特別なアイテムとなっています。
モチーフカデナは、1987年のエルメス創業150周年を機に年間テーマが設定され、翌年の1988年からそのテーマに沿ったデザインが毎年発表されました。2010年まで続いたこのシリーズは、現在では希少価値の高いコレクターズアイテムとなっています。
象やペガサス、地球、ハートなど、さまざまなモチーフが展開され、エルメスファンの間で高い人気を誇っています。
ギャラリーレアでも、これらの希少なモチーフカデナを取り扱っており、コレクションを充実させたいお客様から多くのお問い合わせをいただいております。
バーキンやケリーなどに付属している
エルメス ハンドバッグ ピコタンロックPM グリパンタン/シルバー金具 トリヨンクレマンス
高級バッグの代名詞であるバーキンやケリーには、購入時に必ずカデナと鍵が付属しています。
これらの機能的なカデナには、開閉用の鍵が2本セットで付いており、バッグの安全性を高める役割を果たしています。
付属するカデナは、ボリードやピコタンロック、さらにはエールラインといった布製バッグにも採用されています。これらのカデナは実用性を重視した設計となっており、本体と鍵には同じ番号が刻印されているのが特徴です。
一方で、別売りのモチーフカデナは装飾品としての側面が強く、防犯用の錠前としては使用されません。そのため鍵は付属しておらず、開閉はスクリュー式やバネ式になっています。
これらは「ラニエール」と呼ばれる細い革紐や、「キテ」というチョーカー兼ブレスレットに通して、ネックレスやチャームとしても楽しまれています。
当店では、バッグに付属していたカデナから、希少な年間テーマカデナまで、幅広い種類を取り揃えております。特に2011年以降新作が発表されていないモチーフカデナは、中古市場でしか手に入らない貴重なアイテムとなっています。
エルメスのカデナの偽物の見分け方は？チェックポイントを３つご紹介
エルメス ハンドバッグ ケリー25 外縫い エトゥープ/シルバー金具 エプソン W刻印
精巧な偽物が増えている現在、真贋を見極めることは非常に重要です。
ギャラリーレアの鑑定士が日々チェックしている、カデナの偽物を見分ける3つの重要なポイントをご紹介いたします。
これらのポイントを押さえることで、偽物を手にするリスクを大幅に減らすことができます。
１．カデナの刻印と数字をチェック
真正品のカデナの底面には「HERMÈS」の刻印があり、このフォントの状態が最初の重要な鑑定ポイントとなります。
本物の刻印は、シャープで深く、文字の間隔や圧力が均一であることが特徴です。
偽造品では、フォントが細すぎたり太すぎたりすることが多く、圧力の不均一さから文字がにじんだように見えることがあります。また、真正品のカデナは高品質な真鍮ベースに金やパラジウムのメッキが施されているため、手に取ると明確な重みを感じます。
例えば、1998年製のゴールドプレーテッド素材の樹液モチーフカデナでは、約33.7グラムという重量が記録されています。
メッキの質も重要な判断材料です。真正品のメッキは非常に高品質で、長期間使用しても剥がれにくい特徴があります。経年により曇ることはあっても、磨けば輝きを取り戻せるのが本物の証です。
対して偽造品は低品質なメッキが施されているため、使用しているうちに剥がれたり浮いたりすることがあり、これは偽物を判断する有力な判断材料となります。
なお、光沢のある「シャイニー仕上げ」とつや消しの「マット仕上げ」があることも覚えておくとよいでしょう。マット仕上げを曇った偽物と誤認しないよう注意が必要です。
２．カデナと鍵の番号が一致しているかチェック
機能的なカデナにおいて最も確実な鑑定ポイントは、カデナ本体と鍵に刻印された番号の一致です。
例えば、カデナの底面に「120」という番号が刻印されていれば、付属する2本の鍵にも必ず同じ「120」という番号が刻印されています。
偽造品では、この番号が一致していないケースが非常に多く見られます。
カデナは「120」なのに鍵は「160」といった不一致や、そもそも番号自体が刻印されていない場合もあります。これは非常に分かりやすい鑑定ポイントですので、購入前に必ず確認することをおすすめします。
ただし、年間テーマのモチーフカデナには元々鍵が付属しないため、このチェックは適用されません。モチーフカデナは装飾品としての性質上、開閉はスクリュー式やバネ式になっており、防犯用の鍵は必要ないのです。
ギャラリーレアでは、すべてのカデナについてこの番号の一致を確認し、お客様に安心してご購入いただける商品のみを取り扱っております。
３．バッグとの組み合わせをチェック
鍵を収納する革製のベル型カバー「クロシェット」の構造も、重要な鑑定ポイントのひとつです。
真正品のクロシェットは一枚の革を折り返して縫製されていますが、偽造品の中にはコスト削減のために二枚の革を貼り合わせて作られているものがあります。
鍵がクロシェットの中に完璧に収まるかどうかも、真贋を見極める重要な要素です。真正品は、鍵がぴったりと収まるように精密に設計されており、サイズの不一致や収まりの悪さは偽物の可能性を示唆します。
2006年頃からは、一部のカデナに製造年や製造月を示すとされる4桁の数字や、「01-07」といった刻印が見られるようになりました。しかし、これらの数字の解読方法は非常に複雑で、情報も錯綜しています。
エルメスの製造体系の変更に伴い刻印方法も変化するため、一般のお客様がこの情報だけで真贋を判断するのは極めて困難です。これは、最新のデータベースを持つ私たちのような専門家の領域といえるでしょう。
エルメスの偽物はなぜ多い？理由は？
エルメス バーキン25 ルージュモワイヤン/ルテニウム金具 リザード □J刻印 HERMES Birkin
エルメスの偽物が多く出回る背景には、本物が極めて手に入りにくいという市場の特殊性があります。
エルメスの製品、特にバーキンやケリーのような人気バッグは、その多くが職人による手作業で作られているため、大量生産ができません。
この限定的な生産体制により、供給量が需要に全く追いついていない状況が続いています。正規店に行っても購入することが極めて困難で、VIP顧客でも入手が難しいアイテムも存在するほどです。
人気が非常に高いにもかかわらず本物が手に入らないという市場の歪みが、偽物であっても売れやすい状況を生み出しているのです。
さらに、エルメス製品は中古市場でも価値が下がりにくく、定価を上回る価格で取引されることもあります。この高いリセールバリューが、偽物市場の拡大を後押ししているといえるでしょう。
カデナに関していえば、偽造業者はバッグ本体の革や縫製を模倣しようとしますが、高品質な金属加工は高い技術力を要するため、しばしば偽造品はここでクオリティの低さが露呈します。だからこそ、カデナの真贋鑑定は非常に重要なのです。
エルメスの偽物を手に入れないためにおすすめの購入方法は？
エルメス ハンドバッグ ケリー35 ピクニック ナチュラル/フォーブ/シルバー金具 ラタン/バレニア
高額なエルメス製品を購入する際、偽物を手にするリスクを完全に排除することが何より重要です。
ここでは、安心して本物のエルメスを手に入れるための、最も確実な購入方法を2つご紹介いたします。
それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、お客様に最適な方法をお選びください。
エルメスの正規店で購入する
エルメスの正規店での購入は、100％の真正品が保証される最も確実な方法です。
偽物を手にするリスクは完全にゼロであり、定価での購入が可能です。アフターサービスも充実しており、メンテナンスなども安心して依頼できます。
しかし、前述の通り人気商品であるバーキンやケリー、限定カデナなどは入手が極めて困難という現実があります。特に年間テーマカデナのような過去の廃盤商品は、正規店では絶対に購入できません。
また、正規店では基本的にセールや値引きは行われないため、価格面での選択肢は限られています。入手困難な商品を求めて何度も通う時間的コストも考慮する必要があるでしょう。
このような正規店の限界を理解した上で、多くのお客様が選ばれているのが、信頼できる中古品専門店での購入です。
信頼できる中古品専門店で購入する
廃盤となったモチーフカデナや、正規店で出会えない特定のバッグを探す場合、選択肢は中古品専門店に限られます。
しかし、個人間取引や信頼性の低いオンラインショップには、偽物が紛れ込むリスクが常につきまといます。
ギャラリーレアでは、商品がお客様の手に渡るまでに7回以上の徹底した真贋チェックを実施しています。査定時、商品管理センター、撮影時、EC掲載時、販売時と、各プロセスで専門のスタッフが二重三重のチェックを行い、偽物を完全に排除する体制を整えております。
鑑定は、ギャラリーレア独自の研修を受け、10年以上の経験を持つベテランバイヤーが中心となって行います。持ち込まれた偽造品のデータは即座に全社で共有され、常に最新の鑑定知識がアップデートされています。
さらに、偽造品や不正商品の流通防止を目的とする民間団体「日本流通自主管理協会(AACD)」の正会員として、消費者の皆様が安心してお買い物できる環境を提供しています。
何より、当店では中古商品のうち対象商品に対して「安心保証」サービスを提供しており、商品到着後3日以内であれば、お客様の個人的な理由に関わらず返品・返金に対応させていただいております。この保証により、「偽物だったらどうしよう」という不安を完全に解消し、安心してご購入いただけます。
エルメスのカデナの偽物の見分け方についてまとめ
まとめ
- エルメスのカデナはバーキンやケリーを象徴する重要なアクセサリーで、機能的なカデナと装飾性の高いモチーフカデナの2種類に分かれる
- 偽物を見分ける際は、刻印の精度やメッキの質、真鍮ベースの重さを確認し、カデナと鍵の番号一致やクロシェット構造も重要なポイントとなる
- エルメス製品は需要に対して供給が極めて少なく、中古でも価値が落ちないため偽物が出回りやすい背景がある
- 安心して本物を手に入れるには、正規店での購入か、信頼できる中古専門店を選ぶことが大切
今回は、エルメスのカデナの基本知識から偽物の見分け方、そして安心して本物を手に入れる方法まで詳しくご紹介させていただきました。
カデナには機能的なカデナとモチーフカデナの2種類があり、それぞれ異なる特徴を持つことをご理解いただけたかと思います。
偽物の見分け方として、刻印と重量感、鍵と本体の番号一致、クロシェットの構造という3つの主要ポイントをご紹介しました。しかし、偽造品は日々巧妙化しており、個人での判断には限界とリスクが伴います。
エルメスの偽物が多い背景には、職人による手作業での生産数の限界と、それを遥かに上回る世界的な需要があります。この市場の特殊性を理解した上で、最も安全かつ合理的な購入方法を選ぶことが重要です。
ギャラリーレアの7回以上の検品プロセスと、AACD加盟の信頼性、そして業界でも手厚い「安心保証」は、高額なエルメス製品を中古で手に入れる際の不安を完全に取り除くための最良のソリューションです。
ぜひ、当店の豊富な在庫から、お探しのカデナやバッグを安心してお選びください。
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