エルメスは数年前から価格改定を頻繁に行い、バッグや財布といったレザー製品だけでなくHウォッチといった時計類も値上がりしています。
Hウォッチはエルメスの「H」をケースデザインに用いたシリーズで、サイズやカラー、素材、ベルトの種類が豊富です。定価もそれぞれ異なり、なかには2025年2月の価格改定により50万円を突破した種類もあります。
購入を検討している方にとって、現在の定価はどのくらいか気になる方も多いのではないでしょうか。
今回は、エルメスのHウォッチの参考定価から2025年2月に実施された価格改定の詳細、値上がりし続ける要因を解説します。最後には定価以下で購入するおすすめの方法もご紹介するので、Hウォッチの購入を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

ブランド買取販売店「ギャラリーレア」で常務執行役員として勤務。高級時計、宝石の査定を得意とし、業界で15年以上の豊富な経験を持つ。
現在は「お客様にとっての特別な企業になる」という信念と共に、国内11の店舗を統括している。
目次
エルメスのHウォッチの参考定価はどれくらい?
エルメスのHウォッチは種類が豊富で、サイズ・ベゼル・カラーなどによってそれぞれ定価が異なります。ここでは、2025年12月時点の参考定価を見ていきましょう。
エルメス Hウォッチ ドゥブルトゥール SS/スイフト HH1.210

参考定価:479,600円
Hウォッチのなかでも安定的な人気を誇るケース幅21mmのPMサイズ。女性の腕にフィットする軽やかなつけ心地とロゴに頼らずともエルメスアイテムだとわかる「H」モチーフが魅力の一本です。
ベルトがレザーストラップとメタルブレスレットで選べるHウォッチですが、PMでおすすめなのはブレスレットのように身に付けられるレザーストラップです。
一重巻きのシンプルトゥールは上品な美しさを、二重巻きのドゥブルトゥールは華やかさをプラス。
特にケース幅21mmのHウォッチはドゥブルトゥールと相性が良く、エルメスの上質なレザー感覚を楽しみながらアクセサリーのように装着できます。
またシルバーケースはビジネスシーンにもぴったりのカラー。スーツやシャツの袖元からのぞくHウォッチが、さりげない品格を演出してくれるでしょう。
エルメス Hウォッチ HH1.210 12Pダイヤ

参考定価:374,000円
ホワイトシェルの文字盤に12個のダイヤを等間隔で配したHウォッチは、シリーズのなかでも女性らしい華やかさをまとったデザイン。品のある美しさに仕上がったそのデザインは、エルメスならではといえるでしょう。
ケース幅は21mmと華奢な女性の腕元にもぴったり収まるサイズ感です。ベルトは高級感あふれるメタルブレスレット。
ケースのHモチーフと自然に溶け込むようにつくられており、アクセサリーのように身に付けられます。
メタルブレスレットはレザーストラップよりも耐久性が高く、長期的にHウォッチを愛用していきたい人にもおすすめの素材。
Hモチーフとともにきらりと輝く美しさはメタルブレスレットの魅力でもあり、レザーストラップとは違う魅力を味わえます。
エルメス Hウォッチ レザーストラップ ヴォーエプソン C刻印 HH1.210

参考定価:479,600円
軽やかな付け心地と女性の手首にちょうど良いサイズ感で人気のHウォッチPM。大きさが同じでも、レザーストラップの種類を変えるだけで印象がガラリと変わります。
アクセサリーのようにファッションの一部として身に付けるなら、エルメスカラーともいえる鮮やかなオレンジ色のドゥブルトゥールタイプがぴったりです。
ビジネスシーンにも身に付けられる落ち着いた印象であれば、ブラウンやネイビー、エトゥープのシンプルトゥールがなじむでしょう。
レザーストラップは自分で付け替えることも可能なので、何本か用意しておけばスタイリングの幅が広がります。どんな色や種類のベルトにもなじむHウォッチは、飽きずに長く愛用できる一生モノの時計といえるでしょう。
エルメス Hウォッチ PM クロコダイル HH1.235

参考定価:932,800円
Hモチーフのダイヤモンドベゼルに、ホワイトシェルの文字盤というきらびやかな組み合わせで、手首をぱっと華やかに見せられるHウォッチ。
レザーストラップは黒やネイビー、エトゥープといった落ち着いたカラーも素敵ですが、ラグジュアリー感を最大限に引き出すにはフランボワーズのピンクカラーがおすすめです。
動くたびに光を受けてダイヤモンドがきらめく様は、見るたびに嬉しくなる特別な一本になるでしょう。
日常の装いにそっと華を添えるような落ち着いた印象で身に付けたい人は、ベルトのカラーを変えると上品な輝きを楽しめます。
エルメス Hウォッチ ミニ ゴールド SS/スイフト Z刻印 HH1.101

参考定価:541,200円
Hウォッチ ミニは、ケース幅21mmのPMより一回り小さなシリーズ。ゴールドのHモチーフベゼルと時針が高級感を引き立て、小ぶりながらも存在感のある時計です。
二重巻きのドゥブルトゥールタイプならさらに華やかさが増し、品格を感じられるファッションに仕上がるでしょう。
また、ゴールドはエルメスの高品質なレザーと高相性を発揮し、手元をさらに美しく見せてくれるカラーです。
シルバーとゴールドで迷ったら、身に付けたいレザーストラップの色で決めてみるのもよいかもしれません。
できるだけ定価を抑えてHウォッチを購入したい場合にも、最も小さいミニであればそれが叶います。浮いた予算で「ベルトをもう一本追加」という購入方法もできるため、ぜひ着用の目的に合わせて選んでみてください。
エルメスのHウォッチは最近価格改定が行われた?

エルメスのHウォッチは2025年2月に価格改定が行われました。Hウォッチのなかでも一番コンパクトなサイズ・ミニ ゴールドケースは、496,100円から541,200円と+45,100円(9.1%)の値上げが実施されています。
エルメス全体の値上げは通常1月~2月に行われ、2025年2月の価格改定ではミニ ゴールドケースが50万円台を突破しました。
エルメスの定価は年々上昇を続けており、一度値上げされたら元に戻ることはほとんどありません。
エルメスの需要の高さや使用素材などを鑑みると、今後も値上げの可能性は十分にあります。Hウォッチの購入を検討している方は定価の動向やタイミングを見極め、ひとつの判断材料にしてみてください。
エルメスのHウォッチの定価が上がっているのはなぜ?理由を3つご紹介

エルメスのHウォッチの定価が年々値上がりしている要因には、ブランドバリュー・コスト・需要と供給のバランスの3つが考えられます。
理由1:ブランドバリューを守るため
エルメスが長年「憧れのブランド」として認知されてきた理由のひとつに、簡単には手の届かない価格帯であることが挙げられます。
高品質でデザイン性も評価されているHウォッチが簡単に手に入ると、「憧れのブランド」としてのステータス性が下がり、ブランドバリューの維持が難しくなります。
そのため、手を伸ばせば届きそうだったHウォッチは、価格改定によって驚くほど値上がりしました。「いつかは購入しよう」と決めていた人も、直近の定価を見てあきらめたケースがあるかもしれません。
エルメスの経済的理由だけでなく、ブランドの特別感を守るためにあえて値上げしている側面があるため、「いつか買おう」と先延ばしにするとさらに手が届きにくくなる可能性もあります。
理由2:原材料や人件費のコストが高騰したため
近年、世界的に原材料や物流、人件費といったコストが高騰しています。その影響によりハイブランドはこぞって定価の値上げを実施。エルメスも同様にコスト増による価格改定を余儀なくされました。
エルメスはレザーや素材の品質に一切の妥協を許さないことで知られており、現在の高品質なアイテムを守るためには必要な判断だったといえます。
Hウォッチの本体には、ゴールドやスティールといった相場が上昇中の素材や厳選されたレザーが使用されています。
これらの素材コストが値上げの大きな理由となっているため、他の要因が解消されても価格が下がる可能性は低いと考えられるでしょう。
理由3:需要と供給のバランスを取るため
エルメスは世界三大ブランドのひとつに数えられていますが、そのなかでも特に格が高いブランドといわれています。
簡単には手が出せない価格帯という理由だけでなく、高品質な素材、仕上がり、耐久性、どのようなシーンにも馴染むデザイン性など、多くの点において高いステータス性を持ち、所有の喜びを感じられる人気ブランドです。
現在はその人気ぶりから需要が供給を上回り、市場ではエルメス製品が手に入りにくくなっています。
供給を増やせないのは、特に需要があるバッグや財布を職人が一点一点手作りしているため。
この需要を抑え、供給とのバランスを図るために値上げを行っている側面もあります。それでも世界中からエルメスを求める声がやまないのは、ブランドバリューと品質の高さが確かなものだからでしょう。
需要が拡大し続ける限り、Hウォッチの値上げも継続されると考えられます。
エルメスのHウォッチの中古相場はどれくらい?
| 商品名 | 状態 | 価格 |
|---|---|---|
| Hウォッチ C刻印 ダイヤベゼル W046519WW00/HH1.531 | 未使用 | 620,100円 |
| Hウォッチ ミニ ゴールド ヴォーエプソン Z刻印 HH1.101 | 未使用 | 232,500円 |
| Hウォッチ HH1.110 | 新品 | 201,900円 |
エルメスのHウォッチの中古相場は定価以下で購入が可能ですが、ブランドバリューや確かな仕上がり、エルメス時計の人気モデルということもあり、未使用品や新品同様の状態であればそれなりの価格帯で販売されています。
とくにダイヤベゼルといった素材価値が上乗せされるモデルは、その分価格が高くなる傾向にあります。さらに付属品が揃っていると価値が高まり、より高額になるでしょう。
しかし、公式の定価よりははるかに安く入手できるのが中古市場の魅力です。「新品」や「未使用品」でお気に入りのデザインに出会えたら、購入を検討する価値は十分にあります。
エルメスのHウォッチを定価か定価より安く購入するのにおすすめの方法は?

エルメスのHウォッチは正規店や並行輸入品、中古専門店で購入できます。正規店は主に定価での購入、並行輸入と中古専門店は定価以下で入手できることがほとんど。各購入方法のメリットと注意点をご紹介します。
エルメスの正規店で購入する
エルメスの正規店で購入する方法は、間違いのない真正品であることとアフターサービスが必ず受けられるという点が大きなメリットです。
エルメスは世界的な人気の高さから偽物が多く出回っています。そのため、正規店以外のエルメス製品は偽物という可能性もあり、確実に本物を手に入れたい人にとっては欠かせない安心材料です。
また修理や点検といったアフターサービスも正規店で必ず受けられ、Hウォッチの調子が悪いときも断られることがありません。
クォーツ式は定期的な電池の取り換えが必要なので、長期で使用する場合におすすめの購入方法です。
一方、正規店での購入は50万円以上と高額で、並行輸入品や中古品と比較すると入手のハードルは高くなります。
安心感と正規店で購入したという満足感を得るならエルメス正規店での購入が向いていますが、金額がネックになる場合は他の方法も検討してみましょう。
並行輸入品を購入する
並行輸入品は、海外の正規ルートを通さずに個人や業者といった第三者が買い付け、国内に輸入する商品のことを指します。正規店を通さないため定価以下で購入できる点が並行輸入品のメリットです。
しかし正規ルートを通っていないため、偽物が紛れ込んだり本来店頭に並ばないような傷や汚れが付いていたりといったリスクも考えられます。
さらにエルメスの保証や修理が受け付けられない場合もあり、利用には十分な注意が必要です。
並行輸入を利用するときは、個人間での取引ではなく並行輸入を取り扱う大きなプラットフォームを通じ、信頼できるバイヤーかどうかを確認した上で取引を進めていきましょう。
信頼できる中古専門店で購入する
Hウォッチを定価以下で購入するには、中古品という選択肢もあります。今後Hウォッチの人気が高まり、需要と供給のバランスが崩れれば定価以上というケースも考えられますが、現在は定価以下で購入が可能です。
中古市場には状態の良いHウォッチが豊富に揃い、すでに販売されていないデザインも見つけられます。きっとお気に入りのデザインを見つけられるでしょう。
しかし中古専門店での購入も、並行輸入品と同様偽物が混ざり込んでいる可能性は捨てきれません。そのため中古専門店選びがなにより重要です。
エルメス製品を豊富に取り扱い、店舗の口コミ評価が高評価であればおおむね信頼できる中古専門店だと判断できます。
また、査定時に念入りな真贋チェックを行っているかや、偽物だった場合の返品保証が完備されているかも確認したいポイントです。
ギャラリーレアでは、持ち込まれた品物に対して7回以上に及ぶ真贋チェックを行っています。そのため購入時には「偽物かもしれない」という不安なく、安心してお気に入りのHウォッチをお選びいただけるでしょう。
エルメスのHウォッチの定価についてまとめ
まとめ
- Hウォッチの定価は2025年2月に50万円を突破
- ブランドバリューの維持・コスト高・需要と供給のバランスが値上げの大きな要因
- 定価で購入するならエルメス正規店、定価以下で購入するなら並行輸入品や信頼できる中古専門店がおすすめ
エルメスHウォッチの定価は徐々に値上がりを続け、2025年9月には50万円を突破しました。
ブランドバリューの維持や留まることのないコスト高、そして需要と供給のバランスといった要因がある限り、この先もさらなる値上がりが考えられます。
これ以上値上がりする前にHウォッチを購入するなら、エルメス正規店や並行輸入品、中古品の選択肢があります。それぞれにメリットと注意点があるため、十分に確認した上で検討しましょう。
エルメスのHウォッチは種類が豊富で、お気に入りのデザインを見つけやすいことに魅力があります。
中古市場にはHウォッチのさまざまな種類が豊富に揃っているので、ぜひ信頼できる中古専門店で自分好みの一本を見つけてみてください。





