カルティエのパシャといえばタンクやサントスと並ぶ人気コレクションですが、なかでも文字盤を格子状のガードで覆った「パシャグリッド」は、ひときわ個性的な存在感を放つモデルです。
2020年にパシャコレクションが刷新されて以降、旧型パシャグリッドへの再評価が進んでおり、中古市場でも注目度が高まっています。
しかし、すでに生産終了となっているモデルが大半のため、定価や中古相場がわかりにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、カルティエのパシャグリッドの魅力や代表的なモデルの参考定価、中古相場、さらに旧型と新型の違いや購入先まで詳しく解説します。

ブランド買取販売店「ギャラリーレア」で常務執行役員として勤務。高級時計、宝石の査定を得意とし、業界で15年以上の豊富な経験を持つ。
現在は「お客様にとっての特別な企業になる」という信念と共に、国内11の店舗を統括している。
目次
カルティエのパシャグリッドの3つの魅力や特徴

カルティエのパシャグリッドは、スポーティさとラグジュアリーさを兼ね備えた唯一無二のデザインが魅力です。
ここからは、パシャグリッドならではの3つの特徴について詳しくご紹介します。
文字盤を覆う格子状のガード(グリッド)
パシャグリッド最大の特徴は、文字盤の上に取り付けられたドーム型の格子状ガード「グリッド」にあります。
1930年代にモロッコの太守(パシャ)が「プールで泳いでいても使える時計」をカルティエに依頼したことがパシャ誕生のきっかけとされており、グリッドはその防水思想を受け継ぐ象徴的なパーツです。
多くのモデルでグリッドは取り外しが可能で、装着時はスポーティに、外せばドレスウォッチのようにエレガントな印象へと変化します。
1本で2つの表情を楽しめる点は、他の高級時計にはないパシャグリッドならではの魅力といえるでしょう。
グリッドにはフラットタイプと中央部が盛り上がったコンベックスタイプの2種類があり、モデルによって仕様が異なります。中古品を購入する際は、グリッドや専用の取り外し工具(グリッドリムーバー)が付属しているかどうかも確認しておきたいポイントです。
高いデザイン性
洗練されたデザインで多くの時計愛好家を魅了しているのも、パシャグリッドの大きな特徴です。
カルティエの時計といえばタンクやサントスに代表される角型ケースのイメージが強いですが、パシャは丸みを帯びたラウンドケースを採用しています。
文字盤にはカルティエでは珍しいアラビア数字のインデックスが配され、モダンで軽快な印象を与えます。さらに、リューズの先端にはブルースピネルなどのカボションがセットされており、宝飾ブランドらしい高級感が漂います。
スポーティさとラグジュアリーさを同時に成立させるデザインは、ジャケットスタイルにもカジュアルな装いにも自然に溶け込みます。
コーディネートの幅が広い点も、パシャグリッドが長年にわたり支持される理由の一つです。
シースルーバック(裏スケルトン)
機械式時計ならではの鼓動を目で楽しめるシースルーバックも、パシャグリッドの魅力として見逃せません。
特に38mmの自動巻きモデルでは、裏蓋がサファイアクリスタル製のシースルーバック仕様となっており、テンプの振動やローターの回転を鑑賞できます。
カルティエ独自のギョーシェ彫りが施されたムーブメントやローターの「2C」透かし彫りなど、見えないところにまで手間をかけた仕上げは所有する喜びを高めてくれます。
加えて、シースルーバックはムーブメントの仕上げを確認できるため、真贋判定にも有効です。コピー品ではローター刻印やネジの仕上げが粗い傾向があるため、購入前にチェックしておくと安心でしょう。
カルティエのパシャグリッドの参考定価は?代表的なモデルを解説

パシャグリッドにはさまざまなバリエーションが存在し、素材や仕様によって定価や中古相場が大きく異なります。
ここでは、代表的な5つのモデルについて、スペックや参考定価とあわせて詳しく解説します。
カルティエ パシャグリッド W31040H3
参考定価:840,000円
パシャグリッドの王道ともいえるスタンダードモデルが、このW31040H3です。38mmのステンレススチールケースに自動巻きムーブメントを搭載し、100m防水を備えています。
ギョーシェ彫りが施されたシルバー文字盤とブルースピネル系のカボション付きリューズが品のよさを演出し、スーツからカジュアルまで幅広いスタイルに合わせやすい一本です。
初めての高級時計やヴィンテージカルティエの入門機として選ばれることも多く、グリッドモデルのなかでは比較的流通量が安定しています。
すでに廃盤のため新品入手はできませんが、中古市場では約385,000円~484,000円程度で流通しています。
カルティエ パシャグリッド W173556
参考定価:公式での情報なし
W173556は、公開流通情報が非常に少ない希少な個体です。
「パシャ グリッドダイヤ」の名称で一部の販売店に掲載された実績があり、約36mmのホワイトゴールドケースにダイヤモンドをセットしたグリッドを備えた仕様が確認されています。
ダイヤ入りグリッドが放つ華やかさは、通常のステンレスグリッドモデルとはまったく異なる存在感を持っています。ただし、公開情報が限られるモデルであるため、購入時には信頼できる専門店での真贋確認と仕様の照合が特に重要です。
人と被らないヴィンテージカルティエを探している方にとっては気になる存在ですが、出回る個体が極めて少ないため、見つけた際は修理歴や付属品の有無も含めて慎重に状態を見極めることをおすすめします。
カルティエ パシャグリッド W3105255
参考定価:918,750円
「パシャ38 N950」とも呼ばれるこのW3105255は、38mmのステンレススチールケースにPt950(プラチナ950)ベゼルを組み合わせたハイエンドモデルです。
文字盤はダークグレー~ブラック系で、販売店によって表記に差が見られます。
上質なシャツやチェスターコートといったフォーマル寄りのスタイルにも自然に溶け込み、大人の余裕を感じさせる一本となっています。プラチナベゼル搭載の高級仕様でありながら、中古市場では約43万円~52万円程度と比較的手が届きやすい価格帯で流通しています。
プラチナ特有の使用感や小傷、ベゼルの研磨歴の有無によって個体差があるため、購入前にコンディションをしっかり確認しましょう。
定価91万円超のモデルがこの価格帯で狙えるのは、中古ならではの大きなメリットです。
カルティエ パシャグリッド W3106255
参考定価:918,750円
精悍なダークトーンの文字盤とコンベックスグリッドの組み合わせが力強い印象を与えるモデルが、このW3106255です。
約38mmのステンレススチールケースにPt950ベゼルを搭載し、中央部が盛り上がった立体的なコンベックスグリッドはフラットタイプとは異なる迫力を生み出しています。
ダーク系文字盤とプラチナベゼルのコントラストが際立ち、モノトーンコーデやレザージャケットとの相性も抜群です。中古市場では約44万円~48万円程度で流通しており、定価を大きく下回る価格帯で手に入る点も見逃せません。
文字盤は経年変化や傷の見え方に個体差が出やすいため、中古品を検討する際は実物の写真や状態説明をよく確認しましょう。
ダークトーン文字盤のパシャグリッドは、スタイリッシュな印象を重視する方に人気のある選択肢です。
カルティエ パシャグリッド W3102255
参考定価:680,953円
1997年にカルティエ創業150周年を記念して世界限定1,847本(創業年1847年にちなむ)で製作された特別なモデルが、このW3102255です。
38mmのステンレススチールケースに自動巻きムーブメント(Cal.2892A2)を搭載しています。
通常モデルではブルー系の石が使われるリューズのカボションに、カルティエのコーポレートカラーと同じボルドー色のルビーが採用されている点が最大の特徴です。文字盤中央にはカルティエモチーフのギョーシェ彫りが施され、ローマ数字のインデックスと組み合わせた上品な表情が楽しめます。
限定1,847本という明確な希少性から、中古相場は約49万円~73万円程度とスタンダードモデルに比べて高値で推移しています。
人気が高く出品から短期間で完売する傾向があるため、気になった方は早めにチェックすることをおすすめします。
カルティエのパシャグリッドの中古相場はいくら?

パシャグリッドの中古販売価格は、モデルや個体のコンディションによって幅がありますが、おおむね40万円前後~70万円台前半が目安となります。
限定モデルでは80万円~90万円台の掲載が見られることもあります。
ステンレススチール製のスタンダードモデルであるW31040H3は40万円前後~50万円弱、プラチナベゼル搭載のW3105255・W3106255は40万円台半ば~50万円台前半で流通するケースが多く見られます。
当時の参考定価が約68万円~92万円であったことを考えると、定価を大きく下回る価格で入手できるモデルが多く、中古市場ならではの価格的メリットは大きいといえます。
一方、創業150周年記念の限定モデルW3102255は希少性が高いため、約49万円台から70万円台と高値傾向が続いています。
中古価格は付属品の有無やオーバーホール歴、外装のコンディション、為替や市場の動向によって日々変動します。グリッドや専用工具の欠品、ベルトの劣化なども価格に影響するため、購入時にはこれらの状態を事前に確認しておくとよいでしょう。
初めて高級時計を購入する方にとっても、予算40万円台から検討できるパシャグリッドは魅力的な選択肢です。
カルティエのパシャグリッドは2種類?旧型と新型の違い

パシャグリッドと一口にいっても、旧型と新型ではデザイン思想や仕様が大きく異なります。
ここでは、それぞれの特徴を比較しながら、両者の違いを整理してご紹介します。
カルティエのパシャグリッドの旧型モデル
1985年の誕生から2016年頃に生産終了となったモデル群が、いわゆる旧型パシャに該当します。
パシャグリッドとして流通しているモデルの大半がこの旧型にあたり、本記事で紹介しているW31040H3やW3102255なども旧型に分類されます。
旧型パシャの最大の特徴は、リューズプロテクターがケースの外側に独立して配置されている点です。チェーンでケースとつながれた無骨なリューズカバーが、ミリタリーテイストの力強い雰囲気を生み出しています。
サイズ展開も27mm、32mm、35mm、38mmなど豊富で、パシャC、ミスパシャ、シータイマーといった派生モデルも多彩に展開されていました。
グリッド付きモデルは主に32mmと38mmで展開されており、フラットグリッドとコンベックスグリッドの2タイプが存在します。ヴィンテージ感のある佇まいを好む方や、クラシックなスポーツウォッチを探している方に向いているモデルです。
カルティエのパシャグリッドの新型モデル
2020年にデザインを刷新して復活した「パシャ ドゥ カルティエ」が新型モデルにあたります。
旧型のDNAを受け継ぎつつも、現代的なラグジュアリーウォッチとして再構築されたのが大きな特徴です。最も目立つ変更点は、リューズプロテクターの付け根がケース側面によりなじむ設計に改められ、正面からの見た目がすっきりとした印象に進化した点です。
さらに、工具不要でストラップを交換できるクイックスイッチシステムや、ブレスレットのサイズ調整が容易なスマートリンク機構など、利便性が大幅に向上しています。
サイズ展開は30mm、35mm、41mmの3種類で、30mmはクォーツムーブメント、35mmと41mmには自動巻きメカニカルムーブメントが搭載されています。
2022年にはグリッド付きの新型パシャも発表されましたが、旧型とはグリッドの固定方法が異なるなど、細部の仕様にも違いが見られます。
新型は実用性やモダンさを重視する方に適しており、旧型はヴィンテージ感や独特の無骨さを楽しみたい方に向いています。どちらが優れているというよりも、好みやライフスタイルに合わせて選ぶのがよいでしょう。
カルティエのパシャグリッドはどこで買える?

旧型のパシャグリッドは大半のモデルが生産終了となっているため、正規店での新品購入はできません。
ここでは、中古市場でパシャグリッドを入手するための2つの方法をご紹介します。
並行輸入品を購入する
並行輸入店や個人間売買プラットフォームでは、思わぬレア個体と出会える可能性があります。価格面でもメリットを感じる場面があるかもしれません。
しかし、パシャグリッドのような廃盤モデルの場合、並行輸入品として流通するのは実質的に中古品がほとんどです。そのため、個人間取引には注意すべきリスクが伴います。
最大のリスクは、偽物やコピー品をつかまされる可能性です。
カルティエは世界的に人気が高いブランドであるため、精巧なコピー品も多く出回っています。フリマアプリやオークションサイトで安い個体を見つけても、安易に飛びつかず慎重に判断することが大切です。
また、海外サイトからの購入では返品や修理対応が難しいケースもあります。保証書や販売証明の有無を必ず確認し、万が一のときの対応も含めて検討しましょう。
信頼できる中古品専門店で購入する
安全かつ適正価格でパシャグリッドを手に入れるには、実績のあるブランド時計専門の中古店を利用するのが最善の方法です。
専門店であれば、熟練の鑑定士が真贋チェックを実施したうえで販売しているため、安心して購入できます。
なかでもギャラリーレアは、厳格な真贋チェック体制と品質管理を徹底しており、パシャグリッドのような希少なヴィンテージモデルも安心して選ぶことができます。
公式通販サイトでの購入でも、商品名に「安心保証」と記載された対象商品に限り、商品のお受け取りから3日以内の返品相談が可能なため、実物を見てから判断しやすい点も安心材料です。
専門スタッフにサイズ感や年代ごとの仕様の違いについて相談しながら選べるのも、専門店ならではのメリットといえるでしょう。
カルティエのパシャグリッドの定価についてまとめ
まとめ
- パシャグリッドは、格子状ガードが目を引く個性派コレクション
- 旧型の再評価が進み、中古市場でも注目度が高まっている
- 代表モデルの定価は約68万〜92万円台で、中古は40万円台から狙える
- 限定品やプラチナ仕様など、モデルごとに相場や希少性が大きく異なる
- 安心して選ぶなら、真贋確認や保証体制が整った専門店が有力
カルティエのパシャグリッドは、文字盤を覆う格子状のガード、宝飾ブランドらしい高いデザイン性、そして裏蓋からムーブメントを鑑賞できるシースルーバックと、三拍子そろった魅力的なコレクションです。
代表的なモデルの参考定価は約68万円~92万円程度でしたが、中古市場では40万円前後~70万円台前半で入手可能なモデルも多く、定価を大きく下回る価格で高級時計を手にできるチャンスがあります。
特に創業150周年記念のW3102255は世界限定1,847本の希少モデルとして高い人気を誇り、中古相場も約49万円台から70万円台と高値が続いています。旧型パシャ特有の無骨でスポーティな雰囲気は、2020年以降の新型にはない独自の魅力を持っています。
生産終了モデルは一期一会であり、特に希少な個体は入荷後すぐに売り切れることも珍しくありません。
パシャグリッドをお探しの方は、ぜひギャラリーレアの公式通販サイトで最新の在庫をチェックしてみてください。状態のよい中古品を多数取り揃えており、憧れのカルティエをお得に手に入れることができます。




